建築専攻シリーズ:東京芸大現役学生インタビュー、パート2:1年生の課題について。独特の課題内容を、写真を交えてご紹介します!>

Q: 大学生活で印象に残った課題とか、あるいは出来事、はたまた授業など、教えてください。

B: 1年生のときの、構造の授業が印象的でした。アーチ構造、ドーム構造ってこんなのだよって実際の建物の写真だけ見せられて、「はい!じゃあこれ自分たちでつくってみよう!」「え!どうやったらできるの!?」みたいな状態でぽーいってされて。

B: ひたすらみんなで、その辺にあるものでつくる。傘とか、イスとか、自転車までつかって。(笑)

A: アーチ楽しかったですね。体で構造を学びとれ!みたいなことだったのかな。

B: でも実際すごく良かったよね。3つのグループに分かれてつくるんですけど、メンバー同士で話し合ってくうちに「あ!こうしたらできるかも!」みたいのが思いつく感じ。担当の先生はニコニコしながらずっと見てるんです。(笑)

Q: (注:このニコニコ見ている担当の先生は東京芸大の准教授で、かつて国際的な建築構造事務所に所属し、現在も日本屈指の構造設計事務所を運営されています)

Q: お2人はどんなものをつくりましたか?

A: わたしは確か、木材の廃棄物置場から、コンクリートブロックくらいの大きさの木片をたくさん拾ってきて組み上げました。最初は傘でやったのですが、それぞれが軽すぎるのがうまくいかない原因なのではないか、という話し合いを経て、木片でやってみることになったのです

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B: 私たちは、最初は自転車で挑戦してみました。芸大はそこらへんに自転車が放置されてるんですが(笑)、それを組み上げて。「自転車でつくれたらかっこいいよね!!!」みたいなバカっぽいアイデアからだったんですけど、、(笑)

Q: うーん、力強いバカっぽさで素晴らしいですね

B: 自転車は実際組み上がったんだけど担当の先生にニコニコしながら「アーチじゃないね!!!」って言われて。(笑)

A: あれは軽やかだし力強いしよかったですね。芸大の芝生の上を、自転車が舞っているという衝撃的な風景(笑)

B: まったく上手くいきませんでしたね。(笑) まだちゃんと構造も理解できてないのに上手くいくはずがなくて、、その代わりに落ちてる(笑)ペンキの缶を使ってなるべく「綺麗な、お手本みたいなアーチ」をテーマにつくりました。

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Q: なんだか廃品利用ばっかりでワイルドな課題ですねえ。この課題は1年次とのことですが、このあとドームもつくり、さらに3年生では実際にコンクリートを打設してシェル構造もつくったそうですね。

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Q: 4年間を通じて、設計課題ではどんな課題がありました?

A: 設計課題は、椅子、住宅、住宅、集住、集住、教育施設、地域施設、地区設計、建築と表現、プレディプロマ、卒制です。

Q: そう、年次を追うごとに設計する対象の規模が大きくなっていくのですね。

<次回、パート3ではさらにもうひとつ、3年生の課題について聞いていきます!>