2024年06月 の記事一覧
日本画材体験
中学美術コースでは今月、二週に渡って日本画ゼミを行いました。
今回は《箔(はく)》と呼ばれる薄く伸ばした金属の画材を画面全面に貼って、その上に絵を仕上げていきます。
まずは簡単な画材の説明、実演を行い、見様見真似で箔を貼っていきます。
写真を撮り忘れてしまい、お見せできないのが残念ですが、《箔箸》という竹でできたピンセットを上手に使い、箔の上に《あかし紙》と呼ばれる蝋が塗ってある紙にくっつけて、箔を貼っていきます。
今回は、二日間の制作ということで、1日目に箔貼り、2日目に岩絵具と膠(にかわ)を主に使用し、絵の制作を行いました。
細い筆を使って、細かい部分も丁寧に仕上げていきます。
二色の箔を使って、雰囲気のある背景を作ることができました。
今回はこのようにあらかじめ下描き・転写をしてから、絵の具で描いていきました。
箔には様々な種類があり、各々貼り方にも工夫しながら、制作できました。
また、岩絵具のテクスチャーに苦戦しながらも、こだわりを持って描くことができました。
都内には、様々な場所に日本画材店があり、岩絵具などを購入することができます。
沢山の瓶に入った色とりどりの絵具たちは、見ているだけでも面白いので、是非とも一度足を運んでみてくださいね。
日本画専攻1学期授業風景~動物課題~
こんにちは!日本画専攻です。
今回は動物課題です!
本科専科共にウサギを描きました。
元気なウサギが多く、走り回ったりレンガを乗り越えたりと描く方は難しそうです...。
脱走しそう!
初めて動物を描く人も多く、骨格や動きを捉えるのに苦戦中。
一瞬の形を覚えて描いたり、クロッキーを通して形を身体の中に染み込ませて、今寝ているから足の形はこの形になるはず...など総合的な理解力がいる課題ですね。
講師でも動物を描くのは難しく永遠の課題だと思います。
伊藤若冲ですら動物を理解したのは晩年という程なので、地道に観察あるのみですね。
筆作りワークショップをやりました!
こんにちは。日本画専攻です。
先日、河合塾では特別講師に清晨堂の店主であり筆職人の、阿部悠季さんをお招きして筆作りのワークショップを行いました。
※「筆」と言っても色々と種類はありますが、「清晨堂」では日本画や書、書画などの和筆を主に作られている工房だそうです。
阿部さんの普段のお仕事は筆作りと販売ですが、筆を色々な人にもっと知ってもらう為、各美術大学や美術館などで、講演や講義の活動を精力的にされているそうです。
生徒たちも普段何気なく使っている筆ですが、それを実際に作られている職人さんの説明とあって真剣な面持ちで説明を聞いています。
阿部さんの指導の元、生徒たちが筆先を作っているところ
みんな失敗したくないのでしょうか。真剣な面持ちで手ほどきを受けていますw
筆の毛が崩れないように麻糸でしっかり力をかけて縛っています!
ワークショップ内では、筆にまつわる歴史や開発されてきた経緯などの講義もありました。
普段なかなか知ることが出来ない専門的な内容でしたが、筆の作られてきた用途やその背景を知ること出来たので、
生徒たちとっても大変ためになる内容でした。
材料となる動物の毛(原毛)の資料や古くから保管、記録されている貴重な資料の一部も見せて頂きました!
古来から現代にかけて筆の開発は画家(作家)の意見を取り入れて商品開発をされているそうです。
いろいろな筆があるので、実際に触れ、描き心地を試しています。
普段の生活の中では使う機会が少ない絵筆ですが、その製作過程や歴史に触れることで筆についての様々な要素を知ることができたワークショップでした。
その中でも阿部さんが言われていた「絵描きを支えるための筆作りをしている」という言葉がとても印象的で、その言葉が作り手から絵を描いている生徒たちに届いたことはとても良かったと思いました。
今回は日本画の生徒だけでなく、油絵や工芸の生徒も参加してくれました。こういったゼミがきっかけとなって、日本の職人さんが作る品質の良い筆が様々な人たちに普及していって欲しいです。
河合塾ではこのようなゼミと合わせて受験指導を行っています。
夏期講習や夏イベントの申し込みも開始しておりますので、美術、受験にご興味ある方はぜひご覧ください!
夏期講習の申し込みはこちらから!