1学期授業風景 の記事一覧
日本画材体験
中学美術コースでは先月、2週に渡って日本画ゼミを行いました!
初めて日本画材に触れる生徒もいれば、昨年扱った経験を踏まえて描きたいものを考えてきてくれた人も居ました。
まずは簡単な画材の説明です。
日本画材とひとことで言っても、絵具を画面に定着させるための「膠」や「岩絵具」「水干絵具」「箔」「墨」など、色味も質感も異なる様々な素材を扱います。
今回は、二日間の制作ということで、岩絵具と膠を主に使用し、普段制作から扱い慣れている水彩絵具や色鉛筆なども併用して制作を行いました。
一通り説明をした後、早速制作に入ります。
今回は岩絵具を家にあるものでスタンピングして、マチエールを作る描き方に挑戦しました。
手でもペタペタ。
岩絵具の質感は独特で、「気持ちいい〜」「不思議な感じ」と声が上がりました。
こちらはプラスチック容器に絵具を塗って、模様にしています。
泡のような花のようなマチエールが綺麗です。
1日目はスタンピング、2日目は前回作ったマチエールをもとに絵を完成させました。
皆それぞれ個性的な作品に仕上がって良かったです。
最後は講評をして終わりました。
都内には、様々な場所に日本画材店があり、岩絵具などを購入することができます。
沢山の瓶に入った色とりどりの絵具たちは、見ているだけでも面白いので、一度是非足を運んでみてくださいね。
日本画専攻「芸大二次再現行いました」
こんにちは日本画専攻です。
今回は2022年度の芸大二次試験の再現課題をご紹介します。
河合塾では、春期講習で今年芸大に合格した学生たちの再現デモストを行いました。
今年の二次試験では、ヒバ、アセビの枝葉、りんご、アボカド、クレヨン、紙、薪などが出ました。
クレヨンで紙に描画を入れる指定もあり、描ける力だけでなく、その人の意図や世界観を見られるところもありました。
今回デモストをしてくれた5名は構成が皆違い、それぞれのねらいや個性がしっかりと出ていました。
そして完成度の高さも重要です。試験では1人1セットモチーフが渡されるので、最後のツメではモチーフを持って良く観察して描くくらいの描写が求められます。
講評では合格者の皆さんに普段どのように過ごしてきたか、試験の時の状況、自分がなぜ合格したと思うか、など話していただきました。「試験で楽しく描けますように」と神社へお参りに行った、などの話も出ており、今の時期だからこそ聞けるリアルな話に受講生たちは熱心に耳を傾けていました。
春から始める皆さん、河合塾の講師一同応援していますので共に学んでいきましょう!
アニメ背景制作ワークショップ
中学美術コースです。
一学期最後の授業は、「アニメ背景制作ワークショップ」でした。
特別講師をお迎えして、現場での生の声を聴かせていただきながら、筆使い・二種類の絵の具の使い分け・水分調整・物の印象の捉え方等々、具の濃い三時間となりました。
講師の方は 宮本澪 先生。
河合塾美術研究所新宿校から多摩美術大学日本画に進学。大学卒業後,ufotabieアニメ制作会社に入社。背景美術部門に所属され、第一期:TVアニメシリーズ鬼滅の刃、劇場版:鬼滅の刃(無限列車編)、劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] 第三章 の制作に参加されています。
現在はアソビモ(株)・2Dデザイナーとしてアイコン・三面図作成・UIデザインなど幅広くお仕事をされています。
さて当日、学生も期待と緊張からか、早くから教室にて準備完了! よってチャイムのなる前から授業開始となりました。
「そもそもアニメの背景を描きたくて美大に行ったのではないが、結果的に予備校・大学にて【デジタルで描く】ではなく【手描きと目を鍛えたこと】によって今ではどんな仕事もこなせる」という宮本先生のお話を、自身の制作した背景画・プライベートに作成しているイラスト資料を解説していただきました。熱心に学生はきいていました。
いよいよ制作スタートです。
宮本先生がお持ちの見本を、先生と同じようにひとつひとつミッションをクリアして、完成させてゆきます。
①用紙全体に水を塗り、ポスターカラーで混色した絵の具をたっぷりのせ、その後水を含ませていない大きな刷毛で空のぼかし・グラデーションを作ってゆきます。
②大地の草の部分もポスターカラー絵の具をしっかり混ぜて空との地平線部分をにじませてゆきます。
③木や花の部分はアクリル絵の具を使用。木は影の色から大胆に塗ります。この時とても大事な事を言われていました。
「自然物は暖かいものなので影色には絶対に黒は混ぜないこと」
普段の授業でも言われていることですが、実際黒色の絵の具はおいていなかったので、みなしっかりと混色して、暗さを出していました。
④アクリル絵の具で木の細かな葉の様子も丁寧に描きこんでゆきます。
⑤雲は空の部分がポスターカラー絵の具なので、水を含ませたタオルで青色を拭き取り、白に少し水色を混ぜた絵の具をなじませて完成。
ここまでの行程を、最初に紙に含ませた水が乾かないうちにしなければなりません。
最後に作品を並べて宮本先生から講評をいただきました。
そしてようやく学生の緊張もとけ、質問もたくさんできたようです。
今のお仕事先には油絵出身の方もいるようです。絵が描けるということは色々な職種の可能性があるということでしょうかね。デジタルのみで絵を描かれている方も全くデジタルに興味のない方も、基本は【人の眼】だということ、忘れないでほしいです。
とても貴重な経験ができた一日でした。
宮本先生、ありがとうございました!
油絵専攻 授業内デッサンコンクール
こんにちは、油絵専攻です!
夏季講習前の油絵専攻授業内デッサンコンクールがありました。
講師陣が会議した結果、グラスが沢山並ぶなんとも美しいモチーフとなりました。
基礎的な素描能力、モチーフから得ることのできる特徴、作者の意思...これらが画面にどう反映されるか。
今回出された課題と相性が良かった人、良くなかった人、様々いると思います。
「どのような課題が出たとしても、自分の強みを出せる力」を伸ばすことが重要なのではないでしょうか。
今回の結果に囚われることなく、さらに突き進んでいきましょう!
テンペラ実習
こんにちは、油絵専攻です!
この日はテンペラ実習を行いました。
様々な色の顔料や、普段使わない材料の姿にソワソワ。
最初にテンペラの歴史や工程を学び、量感を意識してヴィーナスの顔を描く練習をしました。
そしてテンペラ卵液を作っていきます。
そっと卵黄を掴むという慣れない行為...
贅沢に一人一つずつ卵を割って、自分用の卵液で作品を制作しました。
顔料とテンペラ卵液、油を重ねながら、短時間で密度の高い描写を目指します。
ハッチングの技術を練習する事で、絵具を細かく重ねていく過程をより深く理解することが出来たのではないでしょうか。
最後に作品を並べ、講評、鑑賞をしました。
この実習を経て、さらに制作の精度が上がっていきそうですね。
ニカワとは?【日本画ゼミ】
こんにちは!中学美術コースです。
今月は色々なゼミをやっています!今回は日本画ゼミを行いました。
「日本画って何?」って思う人が多いかもしれませんが、古くは中国から伝来してきた絵画技法なのです。歴史は古く奈良時代くらいから伝承されて、日本に土着して時間をかけて様式を変えていったものが日本画と言われているようです〔ざっくりと要約するとw〕
素材は和紙、墨、岩絵の具、ニカワなどを使っていきます。
今回は中学生向けのゼミなので作業内容を少し簡単にしたバージョンでゼミを行いました。
真ん中のボウルに入っているものが「ニカワ」なるもの素材は動物の皮や骨などから取れる動物性のタンパク質から出来ています、、、
ニカワは絵具を紙に定着させる為の接着剤の役割をします。油絵では油〔オイル〕がその役割を行います。
生徒さんが手に持っている「和紙」は日本に古くからある植物の繊維で作られています。
まずは図案の構想から
下準備中--
岩絵の具は、鉱石やガラスの微粒なのですが、ただのパウダー状のもので販売していますので、このままでは紙に塗っても定着しません。
写真のように手を使って、「ニカワ」と「絵の具」をお皿の上で指を使って混ぜ合わせ、色を塗る為の下準備をしておきます。
「絵の具」と「ニカワ」が混ぜ終わったら色を塗っていきます。
完成!爽やかな風景画!いい感じです。
味のある、いい感じの鳥さんが描けましたね◯
最後は講評をして終わりました。みんな普段使っている絵の具と違い、なかなか手がかかる画材でしたが楽しめたかな?
次回のゼミもまた違った内容をやりますのでお楽しみに!
夏期講習ではシルクスクリーンや扇に絵を描くといった楽しい制作を予定しています。
興味がある人はぜひ受講してみてください!
夏期講習のお申込みはこちらから!
全判クロッキー
油絵専攻です。
今回は専科6日コースの授業を見てみましょう。
全判クロッキーです。
授業内コンクールを目前に、少し心も動きも固くなっているので、肩の力抜くために描いてもらいました。
いつも見慣れた友達、そして学生順番にポーズをとってもらい描く。
講師もモデルになりムービングし、学生は全身機能・感覚を研ぎ澄ます事を体感し描く。
みなへとへとでしたね。
このときの感覚は言葉では伝えにくいかもしれませんが、最も大切な体験でした。
人を描き、また自身も描かれる。見ること、ポーズをとったときの痛み...すべてがスパイスになってさらによい作品になってゆくことでしょう。
そしてむかえたコンクール!
いったいどうだったのでしょうかね~?
ワクワクして描けたのでしょうかね~?
夏期講習で今一度地固めをして、2学期応用できるようにしましょう。
「テンペラ...てんぷら...?」
中学美術コースです。
今回は、テンペラ画に挑戦しました!
「テンペラ...てんぷら...?」
テンペラはイタリア語で、混ぜる・こねるの意味です。
「じゃー何混ぜるの?」
顔料と卵黄です。
1400年頃、イタリアでは、フレスコ画(壁画)とテンペラ画が主流でした。
油絵が主流になる100年も前のことです。
卵黄と顔料を混ぜた絵の具を作り水で薄めながら丁寧に描いてゆきます。
小さいサイズですが、素敵な作品となりました。
中学美術コースでは、基本的デッサン・着彩制作から、幅広く美術を知るための特別ゼミをバランスよく配置しています。
7月最後の授業は、外部からの特別講師をお迎えします。
「イラスト・マンガをうまく描けるには!」(仮題)
あの人気アニメの話も聞けちゃうかも!
ワクワクしますね。
うさぎの日
生徒たちの中心に何やらモフモフの塊が!!
うさぎが二羽来てくれました!
小柄で非常に可愛らしい、、、!
今回は彼らのクロッキーと、石粉粘土の塑造の課題として取り組んでもらっています。
うさぎは腰回りにボリュームがあって、腰を重心にして様々な動きをします。
歩きだすとその様子がよく見えてきますね。
普段のモチーフのように静止していないので、なかなか捉えることが難しいモチーフですが、動いている対象を描いたり作ったりすることは非常に勉強になります。見たものをそのまま写すのではなく、頭の中で解釈をしながら描く感覚を持てるようになると、他の物の見方も鋭くなっていきます!
うさぎの可愛さも相まってか、皆集中して制作していました。
だんだんと暑い日が増えてきましたね。
夏バテにならないよう、体調管理にも気を配りましょう!
壁からバナナ
こんにちは、油画専攻です!
今年度も感染症対策を行いながらの制作です。
この日の課題は油彩、「モチーフを描きなさい」。
中央に位置するカッパヴィーナスの奥にはガヤガヤした布、そして横には壁から吊り下げられたバナナ...
インパクトのある主張の激しいモチーフがぶつかり合い、決してかっこいいとは言えない並び。
「どう見るか?」作者の視点が問われるような課題でした。
石膏像を石膏像としてでなく、1つの静物モチーフとして捉えられるといいですね。
苦手に立ち向かうか、上手く立ち回るか...
挑戦と安定のバランスに悩みつつも、皆の画面は楽しげな様子。良かったです。