2019年12月 の記事一覧
授業内芸大・私大素描コンクール実施
12/24に授業の一貫でコンクールを行いました。
.........謎のモチーフですね、
プラネタリウムのプロジェクタに見立てて組み上げたモチーフだそうです。丸椅子同士を組み合わせ、積み重ねた台のさらに上に載せると、かなりの高さになります。
「モチーフを覗き込んで見えたものを描きなさい」
という課題で、これを木炭紙に素描で制作してもらいました。
この文中の「覗き込む」とは一体どんな行為でしょうか?
見ることは、肉眼で対象を捉えることに他なりませんが、
覗き込むと言った時に、「見る」という言葉以上に、近寄る、場合によっては登る、など、より深く目で見るまでに至る行為も含める意味が強くなります。
そういう覗き込むという体験を通して得られる景色には身体性を孕んでいることに対しての意識を問いたいと思いました。
受験において、このようにシビアな課題は出題の機会は少ないでしょう。
ただ忘れて欲しくないことでもあります。
観察、その行為自体は大切なことですが、自分が行為したことについて見つめ直す仕事も、絵を修練させるきっかけになります。
同時に私立大学入試のためのコンクールも行いました。
モチーフはオーソドックスな静物デッサン課題ですが、クサリや、1/2カットして、少し成長し膨らんだ白菜も、デッサンとなると少し曲者です。一つ一つ丁寧な観察が求められますが、静物デッサンとしての全体性から生まれてくる空間というのは完成に詰めていく上では必須です。
あぁ...よく見ると、質感も豊かで描きごたえありますね。
参加している人は皆伸び盛りという感じですね。熱心な人ほど変化が著しいです。
コンクールで順位を大まかにつけましたが、いやいやまだまだ分からない人たちで、皆さん期待の塊です!
自分の分からないことがあるということを認識したと言うことは、もう成長の7割は到達しています。そのあとは自ずと必要に駆られて知ることになります。私たち講師の言葉のどこかがそのきっかけの一つになれば幸いです。
冬期講習始まりました-2学期の課題紹介-
こんにちは、日本画専攻です。朝晩冷える日が増えてきましたね。
冬期講習が始まり一週間が経ちました。教室内には良い緊張感が出てきて、絵の完成度もグッと高まる時期です。
冬期・直前の受験生たちの取り組みはまた後日紹介するとして、今日は河合塾の日本画本科の2学期後半の課題をご紹介します。
1学期は基礎力アップ・苦手克服課題が多かったのに対して
2学期は応用力・自分の良さを見つけて伸ばす課題が多くなります。
11月は河合では連休が多かったので、連休は自宅課題の宿題をしたり、美術館など外に出たりする時間にしてもらいました。自宅課題は構図研究。これまでの自分の絵を振り返り、より良い構図を探ったり、反省点を書き出します。
授業ではいつもより時間をかけて完成度を出す課題を行い、モチーフや構図の分析をした上で、しっかり描ききって自己ベストの更新を目指しました。
細密課題の作品 自分で描きたいものを決めてもらいます。Tさんのドーナツ、美味しそうですね♪
「構図研究ノートをつくる」という自宅課題の添削。講師から一言ずつメモなどがつきます。
また講師が一人ずつ出題したモチーフから、生徒が好きなものを選んで描くという課題をやりました。自分がどんなものが好きなのかを知ることと、描いてみたいと思って制作に取り組むのはとても大切な気持ちです。
普段あまり目にしない珍しいモチーフも登場します。
そして2学期最後は着彩一人一卓のコンクールで締めくくりました。これまでのやってきた成果、身についていることとまだできないことを自覚してもらいます。
一人一卓着彩課題。バラ合計100本!
各々できる事を増やすというのはとても大切な事です。
しかし、そればかりになってしまうと「やらなければならないこと」に追われて
表現したいことが後回しになってしまします。そういう気持ちで絵を描いていると、表現したいことがわからなくなってしまう可能性もあります。
自分の良さとは何なのか。自分の思う良さと、人が感じる客観的な良さを認識しながら、一枚の絵に消化していくことがとても大切です。
いよいよ試験本番も迫ってきました!冬期講習、直前講習は集中を切らさないための体力も大切です。風邪などひかないよう、体調管理もして後半戦を乗り切りましょう!
武蔵美 視覚伝達デザイン公開実技模試
私大デザインコースでは武蔵美視覚伝達デザイン学科の公開実技模試を実施しました。
デッサンとデザイン3時間ずつの入試本番を想定した模擬試験です。外部からも多くの参加がありました。
静物デッサンのモチーフは紙袋いっぱいの野菜たち。買い物がテーマでしょうか。
デッサン制作風景です。1卓を6人くらいで囲んで描きます。
まず、自分の着目したところをトリミングして、大きく構図を取りましょう。
次に、楕円とパースに注意して基本的な形をとらえます。
今回の出題では質感の差、固有色の差があるモチーフなので、その辺を明快に描き分けられるかがポイントでしょう。
採点会場の様子。
制作者がどこに着目したか、立体的に空間的に物をとらえて描けているか、質感や色の描き分けができているかなどを総合的に見て採点していきます。
入試本番と同じように150点満点で点数をつけます。
デザインの講評の様子です。
文字とビー玉を使って季節を表現する課題です。
各人がテーマにした状況に対して、色彩、形、構成が適切に使えているかがポイントです。上位には空間をダイナミックに使っている作品が多く入りました。
武蔵美の広報の方と視デの学生さんによる「視デガイダンス」も実施。
スライドを用いて、大変ためになる興味深いお話を聞かせていただきました。
視デを受験する方にとっては情報盛りだくさんの1日になったと思います。
多摩美、芸大、武蔵美と続いたデザイン・工芸模試も今回で最後。
私大入試本番まであと1ヶ月半。まだまだ点数は伸びます。学科もあります。
今回の模試でしっかり自己分析し、何ができるか模索し、邁進してください。
みんながんばれ!