12/24に授業の一貫でコンクールを行いました。




.........謎のモチーフですね、
プラネタリウムのプロジェクタに見立てて組み上げたモチーフだそうです。丸椅子同士を組み合わせ、積み重ねた台のさらに上に載せると、かなりの高さになります。
「モチーフを覗き込んで見えたものを描きなさい」
という課題で、これを木炭紙に素描で制作してもらいました。

この文中の「覗き込む」とは一体どんな行為でしょうか?

見ることは、肉眼で対象を捉えることに他なりませんが、
覗き込むと言った時に、「見る」という言葉以上に、近寄る、場合によっては登る、など、より深く目で見るまでに至る行為も含める意味が強くなります。
そういう覗き込むという体験を通して得られる景色には身体性を孕んでいることに対しての意識を問いたいと思いました。

受験において、このようにシビアな課題は出題の機会は少ないでしょう。
ただ忘れて欲しくないことでもあります。
観察、その行為自体は大切なことですが、自分が行為したことについて見つめ直す仕事も、絵を修練させるきっかけになります。



同時に私立大学入試のためのコンクールも行いました。
モチーフはオーソドックスな静物デッサン課題ですが、クサリや、1/2カットして、少し成長し膨らんだ白菜も、デッサンとなると少し曲者です。一つ一つ丁寧な観察が求められますが、静物デッサンとしての全体性から生まれてくる空間というのは完成に詰めていく上では必須です。



あぁ...よく見ると、質感も豊かで描きごたえありますね。

参加している人は皆伸び盛りという感じですね。熱心な人ほど変化が著しいです。
コンクールで順位を大まかにつけましたが、いやいやまだまだ分からない人たちで、皆さん期待の塊です!
自分の分からないことがあるということを認識したと言うことは、もう成長の7割は到達しています。そのあとは自ずと必要に駆られて知ることになります。私たち講師の言葉のどこかがそのきっかけの一つになれば幸いです。