夏期講習も終わり、10月頭には芸大模試が行われます。それにともない本科では着彩課題が増えてきました。しかし、河合塾はただ受験の絵をたくさん描くだけではありません。日本画制作を取り入れることにより、いかにいい形や重なりが重要かを学び、受験の着彩のレベルアップを目指します。

今回は3日間で日本画を一枚仕上げました。
目的は
①日本画材の扱いに触れ、基本的な描き方を学ぶ。
②良い形、重なりを選ぶ。空間とモチーフの「地と図の関係」を考える。
です。
日本画科と言っても、入試の段階では日本画を描くことはないので大学に入ってから日本画材を勉強していく人が多いです。今回一足早く日本画を描いてみて、普段使っている水彩絵具との違いを体験しました。
また、本画(日本画)はシルエットの形がしっかりと出るので、良い形かどうかが絵のクオリティーを左右します。そしてモチーフをどう配置し、間をどう取るのかによって作者のねらいが出るのでそこも大事に考えました。

今回のモチーフはピンクの百合です。
講師がデモストをしながら技法をレクチャーしました。



まずは麻紙(まし)という和紙をパネルに水張りします。




水張りした紙を乾かしている間にスケッチ開始です。
花の良い形、重なりを普段よりもさらにこだわって描いていきます。スケッチブックのサイズが足りなくなった人は紙を継ぎ足して描いていました。





スケッチが終わると構図を決めて麻紙にトレスします。そして薄墨でトレスの線をなぞっていきます。これを骨描きと言います。
何度も同じ形を描く作業ですが、より良い形、線を描くように意識します。

その後薄墨で少し調子を入れ、絵の雰囲気を出しておきます。


次は彩色に入ります。まず背景を二色のグラデーションで作ります。全体に絵具を塗り、白い花の部分は絵具を軽く落としておきます。何度かくり返して背景ができてきたら次はいよいよ百合の彩色です。








百合の花には胡粉の白を使います。今回は本格的な胡粉の溶き方を勉強しました。少ない膠で定着よくさせるには手間がかかります。



花を描いていくことは日本画科の受験生なら慣れていますが、日本画材を使っての表現に苦戦している様子もありました。
しかし様々な発見をしながら描いた作品は、同じ百合のモチーフでありながらそれぞれ個性的で見応えのあるものになりました。






最後にサインや印を入れて完成です!



作品は三者面談があったのでロビーや踊り場に展示し、三者面談時に保護者の方にも見てもらうことができました。



本画を描いてみると分かることもたくさんあります。
この経験を受験対策にもつなげていってもらいたいと思います。