今年は開校が現在の社会情勢を鑑みて5月に見送られました。
声はお届けできないので、新宿校油絵専攻の各講師自身の入試直前当時に描いた作品を提供してもらいました。作品と各自己紹介のコメントと併せて、新学期開始までの様子見としましょう。主要メンバーは計6名です。



後列左から森彰男・中原拓也・堀啓至
前列左から山下宏子・野里佳永・薬師神知美


まずは、油絵専攻主任をしています、野里佳永(のざと かえ)です。



"中学から指導している学生さんは、お久しぶり!新規の学生さんは、はじめまして!ですね。あの頃は...といろいろ思い出されますが、どのような結果が出ても、2年先の覚悟を決めた時の作品です。哲学書も読みあさった時期でもありました。
常識を疑え!をモットーとしています。"


油絵専攻、基礎専攻高1・2コースで指導しています、森彰男(もり あきお)です。



"浪人中のコンクール作品がシミだらけで見つかりました。40年も昔の作品ですが、結構当時を思い出させてくれました。がむしゃらに手を動かす青春の日々...。浪人生活、きつかったけど有意義な時間を過ごさせていただきました。皆さんも貴重な時間をここでしっかりと見つめていきましょう。"


堀啓至(ほり けいし)です。主に本科を担当します。

"えーっと、受験生時代の作品紹介とのことですが、私は、大学に入り、自分の作品をつくりはじめた時、受験時代の作品を全て消却してしまいました。遠い昔の生意気で思い込みの激しい時代でした。今は、昔と違い、作家としての第一歩が、受験でも求められています。学生の皆さんは、ちゃんと後々まで残しておきたくなる作品をつくってくださいね。

  

、、と言う訳で、最近の作品画像になります。ギャラリーで発表したものの一部です。これで、ご容赦を。他の作品は、https://keishi-hori.com/ にあります。宜しかったら観てください。"


次に、中原拓也(なかはら たくや)です。



"僕は当時から研究が好きなわけでも、絵が好きなわけでも無いんですよね。昔から、人は全くの未知である死をどう受け入れるのだろう?ということだけに興味がありました。人と人、人間と自然、生命と環境の関係、そんな出会いの仕方というテーマはずっと一貫しています。僕にとっては絵と向き合うのは、結果、表れたかたちなのかもしれません。未だにわかりません。
ある時見たカナダの理論生物学者が目的論的生命論みたいなことを言っていて、「こんなことをやってもいいのか!」と感嘆したことがあります。そんな研究者同様、絵に携わる皆さんもきっとアクロバティックな発想を持っていることでしょう。"


油絵専攻と基礎専攻中学で指導しています薬師神知美(やくしじ ともみ)です。


  

"これを描いた当時は、家から40分ほど自転車を漕いで河合塾まで来ていました。
自転車を漕ぎながら周りの風景を見ながら、自分の絵のことをたくさん考えたなぁ...
今見ると画面がめちゃめちゃ暗くて驚きます笑
予備校でやるのは基本的には入試対策ですが、大学がゴールではなくその先まで考えられる様なサポートができたらなと思います。"


最後に、山下宏子(やました あつこ)です。
今回紹介するのは浪人生の時の作品です。

     

"浪人生の時は夏まで毎日バイトをして予備校代を貯めていました。いわゆる宅浪です。
その時はバイトから帰ったら、自分の部屋にイーゼルを立てて描いていました。家のものをモチーフにしてみたり...。自分で課題やモチーフを考えて、時間を計って描くのは勉強になったなぁと思います。
今コロナの時期に家で自分と対峙して描くのは一つ成長になるかもしれません。"


皆さん一様ではなくそれぞれに、抱えていた忸怩たる思いありますね。それが確実に今の個性になっていることが滲み出ています。油絵専攻では、背伸びをする、無理して個性を作る必要はありません。社会の速度が上がるにつれて、短期的に下される波のある周囲の評価から個性を求めがちですが、実際は、その中で今の自分を如何に認めるか、個性は常にその後からついてきます。
制作活動と受験時代という嵐の中にいても落ち着いた眼を養いましょう。

5月スタートに向けて、4月から最適な自宅課題を用意しています。詳細は校舎受付窓口、電話にてご確認ください。講師、スタッフ一同お待ちしています。