一番身近にある人体
人体、それは表面のシルエットや線だけではなく、見えない軸、骨格、人体解剖学としての理解や、動き・重力・温度・湿度・・・迫力も含め、ただ見たものを見たように写し取るだけでは表現できない究極のモチーフとして、非常に難度の高いものです。そのため、これまでも様々な芸術家が解剖学を修めて人体を学び、描いてきました。「生きている」ことを表現するには、何を観て、感じて、学ぶことが必要なのか?
 河合塾の特徴でもある専攻を越えた合同授業の第一弾は、人物のクロッキーとデッサンです。
 合同授業での狙いは、各専攻の入試で問われる観点が実は他専攻でも大切であることを再発見し、さまざまな角度からものを見る大局観を養うことです。1学期の基礎力をつける時期にそのような引出しを増やす授業を、当塾では行っています。
 本科(昼間部)は2日間、専科(夜間部)は3日間の中で、様々なポーズのクロッキーを行なったあと、クロッキーで養った観方を固定ポーズに活かしてデッサンを行いました。
 今回は日本画・油絵・彫刻・先端芸術表現の、本専科全員分のクロッキーと、デッサンでは優秀作品を選抜して、本科9点と専科3点の計12点を展示しています。
 クロッキーの展示作業も本科授業の一環とし、「人に見てもらう」ということを意識して配置と展示を行いました。各専攻ごとの壁面に、どの作品をどこにレイアウトするかを生徒同士話し合いながら進めました。展示後は全ての作品を見直し、他の作品の中でどのように見えるか、描いている時とは異なる感覚で見つめることも大切な時間です。展示するということ、また展示された作品がどのような準備作業を経て目の前にあるのかの想像力を養うことも、ここで学べる大切な一つです。
 大学に入ることがゴールではなく、大学を出たあとでも軸となる様々な視点・観点を一緒に学んでいきます。 
 
人体から学ぶ第一歩、是非ご高覧ください。
会期:2019年 5月4日(土)~5月25日(土)
10:00〜18:00(会期中無休/日祭・最終日は16:00まで)/入場無料
会場:河合塾美術研究所1階 Gallery Kart