ここ数年、美大・芸大受験のための予備校では河合塾含め、おそらく全国的に、東京芸大模試の油彩を行うところは稀でした。油絵専攻なのに油絵の模試を行わず、模試もなく本番の、入学受験を迎えねばならない人は多くいます。何故でしょう?
理由の一つに上がるのは、

「油絵はお金(画材費)がかかる!」

これは確かに言えることかもしれません。受験にあたっての金銭的ハードルの高さは、多くの美大受験者が油絵に対して持つ印象でしょう。
また、東京芸術大学は入試の画面サイズが、F30(909×727mm)という大きな画面に変わりました。一次試験が倍版木炭紙(1000×650mm)に変わったのもまだ記憶に新しいことです。...お金が掛かる、、(掛けない方法は沢山ありますけどね)
がしかし、河合塾では今年復活を果たしました!!させることができました!

「自由」とは、不自由さを知ったのちに感得できる、
と言いあらわされることがあります。

課題は「自由に描きなさい。」
配布したモチーフはこれ↓


...さて、みなさんならどんなものを描きますか?
水の入った風船に何を見出しますか?
想像の選択領域が広すぎて、思い切った絵がイメージできなくなる人もいるでしょう。

11/3(日)〜4(月)に行われた模試には河合塾名古屋校からの作品も集まりました。
参加した人たちは、正しさのない課題に取り組むなかでも、その窮屈さから解放されて、あっこれじゃいけない!自分の絵が描けなくなる、って気付けた、ハッとする経験になったんじゃないかと思っています。表現して、それを誰かと共有したい、そんな絵が多くあるなか、講師側もポジティブに採点、評価することができました。
...かつ、辛口...合格圏内の評価は出しませんでした。

作品は全員分一点一点講評し、各自、問題点も明確になったと思います。

成長には謙虚であることが必要です。人に批難、指摘されても、自分の中の「正しさ」に辿り着くには、時に自身の信憑するものを強く拘泥し、そこに懐疑も抱き、自分のものさしを確実なものにしていく。

話を続け
自らの勇気と機知について
自分に話すように話し、
明快なことには、絵筆の調子も変わらないでしょう。

わからないことに目を向けてみて、
わからないなりにも、
「こうじゃないか?」
と見出したものをどれほど貪欲に貯め込んでいるか、
それを見ただけでも心に残るものがあります。

皆さんの作品を見せに来てください。