全判クロッキー
油絵専攻です。
今回は専科6日コースの授業を見てみましょう。
全判クロッキーです。
授業内コンクールを目前に、少し心も動きも固くなっているので、肩の力抜くために描いてもらいました。
いつも見慣れた友達、そして学生順番にポーズをとってもらい描く。
講師もモデルになりムービングし、学生は全身機能・感覚を研ぎ澄ます事を体感し描く。
みなへとへとでしたね。
このときの感覚は言葉では伝えにくいかもしれませんが、最も大切な体験でした。
人を描き、また自身も描かれる。見ること、ポーズをとったときの痛み...すべてがスパイスになってさらによい作品になってゆくことでしょう。
そしてむかえたコンクール!
いったいどうだったのでしょうかね~?
ワクワクして描けたのでしょうかね~?
夏期講習で今一度地固めをして、2学期応用できるようにしましょう。
「テンペラ...てんぷら...?」
中学美術コースです。
今回は、テンペラ画に挑戦しました!
「テンペラ...てんぷら...?」
テンペラはイタリア語で、混ぜる・こねるの意味です。
「じゃー何混ぜるの?」
顔料と卵黄です。
1400年頃、イタリアでは、フレスコ画(壁画)とテンペラ画が主流でした。
油絵が主流になる100年も前のことです。
卵黄と顔料を混ぜた絵の具を作り水で薄めながら丁寧に描いてゆきます。
小さいサイズですが、素敵な作品となりました。
中学美術コースでは、基本的デッサン・着彩制作から、幅広く美術を知るための特別ゼミをバランスよく配置しています。
7月最後の授業は、外部からの特別講師をお迎えします。
「イラスト・マンガをうまく描けるには!」(仮題)
あの人気アニメの話も聞けちゃうかも!
ワクワクしますね。
うさぎの日
生徒たちの中心に何やらモフモフの塊が!!
うさぎが二羽来てくれました!
小柄で非常に可愛らしい、、、!
今回は彼らのクロッキーと、石粉粘土の塑造の課題として取り組んでもらっています。
うさぎは腰回りにボリュームがあって、腰を重心にして様々な動きをします。
歩きだすとその様子がよく見えてきますね。
普段のモチーフのように静止していないので、なかなか捉えることが難しいモチーフですが、動いている対象を描いたり作ったりすることは非常に勉強になります。見たものをそのまま写すのではなく、頭の中で解釈をしながら描く感覚を持てるようになると、他の物の見方も鋭くなっていきます!
うさぎの可愛さも相まってか、皆集中して制作していました。
だんだんと暑い日が増えてきましたね。
夏バテにならないよう、体調管理にも気を配りましょう!
壁からバナナ
こんにちは、油画専攻です!
今年度も感染症対策を行いながらの制作です。
この日の課題は油彩、「モチーフを描きなさい」。
中央に位置するカッパヴィーナスの奥にはガヤガヤした布、そして横には壁から吊り下げられたバナナ...
インパクトのある主張の激しいモチーフがぶつかり合い、決してかっこいいとは言えない並び。
「どう見るか?」作者の視点が問われるような課題でした。
石膏像を石膏像としてでなく、1つの静物モチーフとして捉えられるといいですね。
苦手に立ち向かうか、上手く立ち回るか...
挑戦と安定のバランスに悩みつつも、皆の画面は楽しげな様子。良かったです。
日本画本科:たけのこ着彩
こんにちは。日本画本科です。
新年度も始まり、まずはデッサンの描き出し特訓、静物デッサンでものの捉え方を勉強しました。そして今年度の最初の着彩は「筍」です。
筍は今が旬です。
山に生えている根付きのものが手に入ったので、生徒たちは地下茎からどのように生えているのかなどよく観察してから着彩のメインモチーフにして描きました。
根を落とそうとノコギリで切るのも一苦労。3人がかりでやっとです。
大きな筍なので勢いや大きさ、重さが出るような構図を考えます。
双子の筍はせっかくなのでつながったまま描くことにしました。
先端の方の黒っぽい色味のところはよく見ると茶色い産毛のようになっているし、根元の方は根の生え方など、筍には描きどころがたくさんあります。
春の花の山吹と合わせたり、掘りたての雰囲気が出るようシャベルや土などを入れたりして、それぞれ春の匂い漂う力強い着彩が完成しました!
河合塾では絵を描くだけではなく、モチーフの成り立ちに触れ、表現することを一年を通じて勉強します。
受験に留まらず、絵を描く本質を学んでいきましょう!
日本画本科:モチーフ作りゼミから制作へ
こんにちは。日本画本科です。
河合塾では毎年、「モチーフを作るゼミ」を行っています。自分で作るとどのようにできあがっているか理解が深まり、愛着が湧きます。
また、絵のモチーフにするという前提があるので、絵になったときに映えることを考える勉強にもなります。
自分たちで制作した巣箱と、生きている小鳥をモチーフに三日間の静物着彩を行いました!
今回は文鳥2種、キンカチョウ、インコがアトリエに来てくれ、アトリエは終始鳥の鳴き声が響き、森の中のような雰囲気でした。
課題は巣箱のある静物に小鳥がいる絵を描くこと。小鳥はケージに入っているのでそれをスケッチして画面に配置します。
普段はモチーフをセッティングしたら、あるがままに描くのですが、今回のようにケージに入って動いている小鳥を絵の中の空間に自然にいるように描くのはなかなか難しいものです。
動く小鳥をたくさんスケッチして、どのような身体の構造になっているか、どのように動くかなど理解を深めます。
スケッチで大切なことは、羽の模様などの細かな情報を拾うだけでなく、対象の成り立ちや特徴を理解するということです。
スケッチしたものを絵の中に配置して描いていくと、辻褄が合わなかったり不自然なところが出てきます。それをまた実物を観察して修正します。これを繰り返すと、スケッチの段階で観なければならないこともだんだん分かってきます。
自分で作った巣箱も色や質感、こだわって作ったポイントなども描写し、魅力的な作品が多く見られました。モチーフへの理解を深める楽しさ、それを描く楽しさが体験できた一枚になりました。
夏期講習も始まっています。講習では受験の実践的な課題が多くなりますが、引き続きモチーフの理解を深め、学ぶ夏にしていきましょう!
【日本画専攻 授業風景(6月)】
こんにちは。日本画専攻です。
前回に続き河合塾日本画専攻の1学期授業での少し特殊な課題を6月の授業からピックアップします。
まずはモチーフ作り課題!生徒自身の手でモチーフを制作し、作ったモチーフを絵に描くという課題を毎年行っています。講師が創意工夫し、毎年様々なものに挑戦しています。
今年のモチーフ作りは「鳥の巣箱」。
木材をのこぎりでカットし、釘を打つ。と言うと簡単に聞こえますが、実際作ってみると、シンプルに思えるものでも色々な作業があり、工程も複雑ですよね。のこぎりやクランプの使い方も、知ると効率がぐっと上がります。
道具の使い方や作業工程をレクチャー
道具を使いこなすために、自分の体の動きを意識することも大切です。
止まり木の選び方で個性が色々出てきます。あとは塗装を施して完成です!
この日作った鳥の巣箱は、後日モチーフとして描きます。その様子はまた後日お伝えしますね。
そして6月は毎年恒例の公開コンクールが行われます。年2回行われる東京芸大の試験形式での模試となります。実際の試験と同じ形式・基準で審査します。
6月は一次模試にあたる鉛筆素描課題。
70名以上の学生が、12時間での石膏デッサン(ヘルメス)に挑戦しました。
模試一日目は9時半〜19時まで(1時間半休憩)
二日目は9時半〜13時半まで制作し、審査となります。
16時半からは講評会。一枚一枚丁寧に講評します。普段は知らない人の絵と、自分の絵を並べてみる機会はなかなかないので、こういう日にいろいろな見方を発見できると良いですね。
講評は19時過ぎまで行われました。2日間の夜まで及ぶ長丁場、受講生のみなさんお疲れ様でした!
日本画の二次模試着彩課題は10月予定です。奮ってご参加ください。模試の日には面談も随時行っております。外部の方もいつでもご相談ください。
模試は芸大合格基準で厳しく審査していますが、とはいえまだ6月。結果が出た人は、今後さらに上を目指して、結果が振るわなかった人も焦らず、一歩一歩着実にできることを増やしていければ、実際の試験には十分間に合います。
あくまで模擬試験なので、結果そのものよりも、次の自身の課題を見つけられるように利用してもらいたいなと思います。
夏期講習も申し込みが始まっています。
タームごとで申し込めるので希望の日時・課題を選んでいただけます。現役芸大生によるデモストがある課題もあります。受験に向けて具体的な対策が立てられる課題となっています。ただしタームごとに定員に達し次第締め切りとなります。お申し込みはお早めに!↓
夏期講習の申し込みはこちらから!↓
http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/short/ppl/
【日本画専攻 授業風景(5月)】
こんにちは。日本画専攻です。
今回と次回のブログでは2回に渡り、河合塾日本画専攻で1学期に行った授業の中でも、少し特別な課題をお伝えします。今回は5月の授業からピックアップ。
5月、外に出かけるにも気持ちの良い季節ですよね。毎年日本画では屋外へ風景スケッチに出かけます。とはいえ昨年に引き続き、あいにくのコロナ禍...外出も制限された状況で、新宿御苑など恒例の公園も閉園となってしまっており、厳しい状況でした。しかし、非常に勉強になる風景スケッチ、せめて一枚は描かせたい!ということで、移動も密にならないようになど対策をしっかりした上で、都内にある善福寺公園に出かけてきました。
こうした状況下で条件に合う場所を探すのはなかなか大変でしたが、講師陣で色々探したり、実際に行ってみたりして決めたので、非常に良い公園でスケッチすることができました。
色々な風景が楽しめる公園です
池があり、林があり
動植物も沢山
鯉のぼりも
この日は天気も良く、絶好のスケッチ日和でした。
それほど大きくはない公園ですが、風景にバリエーションがありみんなで描くにはとても良い場所です。自分がどんな場所に惹かれるかを知る上でも風景はとても勉強になります。出かけられて良かったです!
そして5月は色々なお花が咲くシーズンでもあります。庭で摘んだり、花屋で自分の好きな花を選んでもらいアトリエでスケッチしました。大小様々な花でアトリエが満開になりました。
自分の好きな花のことを調べて、より深く知るのもとても重要です。また花の組み合わせや、活け方も工夫すると見え方もガラッと変わります。
今回は風景と花のスケッチ課題をお伝えしました。普段からスケッチを重ねていくと、ものの見方も深まっていきます。習慣にして欲しいです。
次回は6月の日本画の授業風景をお伝えしたいと思います!
【基礎中学】動物クロッキー
こんにちは、基礎中学専攻です。
今回は、高校受験コース&中学美術コース合同での "動物クロッキー" です!
動物は、うさぎと烏骨鶏、それぞれ2羽ずつお呼びしました。
「クロッキー」とは、簡単に言いますと 速描き です。
短い時間でモチーフの形や動き、構造などを捉えます。パッと印象をつかむようなイメージでしょうか。
最初の数分でモチーフを正確に捉える力は、時間の限られている入試でも重要になってきます。
また、普段と違う視点でモチーフを見るきっかけになったり、学びの多い課題でもあります。
最初はみんな少しぎこちなく始まりましたが、色んな画材を試す生徒や、場所を移動しながら制作する生徒など、色々試す内にだんだん力を抜いた柔らかいクロッキーが出てきました。
クロッキーは思い出した時にパッとできるので、普段からやるようにするのがおすすめです。
身近な人でも良いですし、生き物だけじゃなく普段授業で描いているような動かないモチーフも、クロッキーを通して短時間で正確に捉える練習をすると、力が付きますよ。
さて、もうすぐ夏ですね!
受験生の夏休みはやることが盛りだくさんです。体調管理に気を付けながら、着実にレベルアップしていきましょう。
http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/short/
夏期講習のお申し込みはこちらから!お待ちしております。
[発泡スチロール彫刻] 石膏像をカービングで模刻! ~メディチ編~
今回はメディチの首像をカービングで模刻していきたいと思います。
そもそもカービングとはなにか。
カービングとは彫刻と言って誰もがイメージするような木や石などを削り出して造形する技法になります。
素材は「発泡スチロール」です。
誰でも気軽に手に入る素材ですね。軽くて、切りやすく、木や石に比べて非常に簡単に造形することができます。
ちなみに、アニメやゲームのイベントで設置されるような大きな造形物も発泡スチロールなどの素材がよく使われていますね。
カービングは普段粘土で作っていくのとは違って、一度削り落としたら元に戻すことはできません。それゆえに十分な計画立てつつ、なんども素材にデッサンしていくことで、一つ一つの造形を正確に進めていく必要があります。
しっかり見比べていきましょう。
軽い素材ということもあって、普段では見比べにくい上からの視点も今回はじっくり見ることができますね。特に石膏像の髪の毛は上から見たときに大きな流れがよく見えます。
最終的に大事になるのはなんだかんだ「どんどん作っていく」ことです。
虎穴に入らずんば虎子を得ず。
削り出さなければ何も見えてきません。失敗してもいいんです。
その失敗と向き合うことで前に進んでいくことができます。
美大受験はそんな純粋な向き合い方ができるかどうかも鍵になってきますね。
では、生徒の作品を紹介します。
htさんの作品です。
荒削りではあるものの、メディチの印象をよく捉えています。
形のつながりと、光の印象を慎重に探ることができていますね。
普段と違う技法、素材に触れたことで、よりモチーフを観察することができたと思います。
今後の課題に活かしていきましょう!