壁からバナナ
こんにちは、油画専攻です!
今年度も感染症対策を行いながらの制作です。
この日の課題は油彩、「モチーフを描きなさい」。
中央に位置するカッパヴィーナスの奥にはガヤガヤした布、そして横には壁から吊り下げられたバナナ...
インパクトのある主張の激しいモチーフがぶつかり合い、決してかっこいいとは言えない並び。
「どう見るか?」作者の視点が問われるような課題でした。
石膏像を石膏像としてでなく、1つの静物モチーフとして捉えられるといいですね。
苦手に立ち向かうか、上手く立ち回るか...
挑戦と安定のバランスに悩みつつも、皆の画面は楽しげな様子。良かったです。
日本画本科:たけのこ着彩
こんにちは。日本画本科です。
新年度も始まり、まずはデッサンの描き出し特訓、静物デッサンでものの捉え方を勉強しました。そして今年度の最初の着彩は「筍」です。
筍は今が旬です。
山に生えている根付きのものが手に入ったので、生徒たちは地下茎からどのように生えているのかなどよく観察してから着彩のメインモチーフにして描きました。
根を落とそうとノコギリで切るのも一苦労。3人がかりでやっとです。
大きな筍なので勢いや大きさ、重さが出るような構図を考えます。
双子の筍はせっかくなのでつながったまま描くことにしました。
先端の方の黒っぽい色味のところはよく見ると茶色い産毛のようになっているし、根元の方は根の生え方など、筍には描きどころがたくさんあります。
春の花の山吹と合わせたり、掘りたての雰囲気が出るようシャベルや土などを入れたりして、それぞれ春の匂い漂う力強い着彩が完成しました!
河合塾では絵を描くだけではなく、モチーフの成り立ちに触れ、表現することを一年を通じて勉強します。
受験に留まらず、絵を描く本質を学んでいきましょう!
日本画本科:モチーフ作りゼミから制作へ
こんにちは。日本画本科です。
河合塾では毎年、「モチーフを作るゼミ」を行っています。自分で作るとどのようにできあがっているか理解が深まり、愛着が湧きます。
また、絵のモチーフにするという前提があるので、絵になったときに映えることを考える勉強にもなります。
自分たちで制作した巣箱と、生きている小鳥をモチーフに三日間の静物着彩を行いました!
今回は文鳥2種、キンカチョウ、インコがアトリエに来てくれ、アトリエは終始鳥の鳴き声が響き、森の中のような雰囲気でした。
課題は巣箱のある静物に小鳥がいる絵を描くこと。小鳥はケージに入っているのでそれをスケッチして画面に配置します。
普段はモチーフをセッティングしたら、あるがままに描くのですが、今回のようにケージに入って動いている小鳥を絵の中の空間に自然にいるように描くのはなかなか難しいものです。
動く小鳥をたくさんスケッチして、どのような身体の構造になっているか、どのように動くかなど理解を深めます。
スケッチで大切なことは、羽の模様などの細かな情報を拾うだけでなく、対象の成り立ちや特徴を理解するということです。
スケッチしたものを絵の中に配置して描いていくと、辻褄が合わなかったり不自然なところが出てきます。それをまた実物を観察して修正します。これを繰り返すと、スケッチの段階で観なければならないこともだんだん分かってきます。
自分で作った巣箱も色や質感、こだわって作ったポイントなども描写し、魅力的な作品が多く見られました。モチーフへの理解を深める楽しさ、それを描く楽しさが体験できた一枚になりました。
夏期講習も始まっています。講習では受験の実践的な課題が多くなりますが、引き続きモチーフの理解を深め、学ぶ夏にしていきましょう!
【日本画専攻 授業風景(6月)】
こんにちは。日本画専攻です。
前回に続き河合塾日本画専攻の1学期授業での少し特殊な課題を6月の授業からピックアップします。
まずはモチーフ作り課題!生徒自身の手でモチーフを制作し、作ったモチーフを絵に描くという課題を毎年行っています。講師が創意工夫し、毎年様々なものに挑戦しています。
今年のモチーフ作りは「鳥の巣箱」。
木材をのこぎりでカットし、釘を打つ。と言うと簡単に聞こえますが、実際作ってみると、シンプルに思えるものでも色々な作業があり、工程も複雑ですよね。のこぎりやクランプの使い方も、知ると効率がぐっと上がります。
道具の使い方や作業工程をレクチャー
道具を使いこなすために、自分の体の動きを意識することも大切です。
止まり木の選び方で個性が色々出てきます。あとは塗装を施して完成です!
この日作った鳥の巣箱は、後日モチーフとして描きます。その様子はまた後日お伝えしますね。
そして6月は毎年恒例の公開コンクールが行われます。年2回行われる東京芸大の試験形式での模試となります。実際の試験と同じ形式・基準で審査します。
6月は一次模試にあたる鉛筆素描課題。
70名以上の学生が、12時間での石膏デッサン(ヘルメス)に挑戦しました。
模試一日目は9時半〜19時まで(1時間半休憩)
二日目は9時半〜13時半まで制作し、審査となります。
16時半からは講評会。一枚一枚丁寧に講評します。普段は知らない人の絵と、自分の絵を並べてみる機会はなかなかないので、こういう日にいろいろな見方を発見できると良いですね。
講評は19時過ぎまで行われました。2日間の夜まで及ぶ長丁場、受講生のみなさんお疲れ様でした!
日本画の二次模試着彩課題は10月予定です。奮ってご参加ください。模試の日には面談も随時行っております。外部の方もいつでもご相談ください。
模試は芸大合格基準で厳しく審査していますが、とはいえまだ6月。結果が出た人は、今後さらに上を目指して、結果が振るわなかった人も焦らず、一歩一歩着実にできることを増やしていければ、実際の試験には十分間に合います。
あくまで模擬試験なので、結果そのものよりも、次の自身の課題を見つけられるように利用してもらいたいなと思います。
夏期講習も申し込みが始まっています。
タームごとで申し込めるので希望の日時・課題を選んでいただけます。現役芸大生によるデモストがある課題もあります。受験に向けて具体的な対策が立てられる課題となっています。ただしタームごとに定員に達し次第締め切りとなります。お申し込みはお早めに!↓
夏期講習の申し込みはこちらから!↓
http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/short/ppl/
【日本画専攻 授業風景(5月)】
こんにちは。日本画専攻です。
今回と次回のブログでは2回に渡り、河合塾日本画専攻で1学期に行った授業の中でも、少し特別な課題をお伝えします。今回は5月の授業からピックアップ。
5月、外に出かけるにも気持ちの良い季節ですよね。毎年日本画では屋外へ風景スケッチに出かけます。とはいえ昨年に引き続き、あいにくのコロナ禍...外出も制限された状況で、新宿御苑など恒例の公園も閉園となってしまっており、厳しい状況でした。しかし、非常に勉強になる風景スケッチ、せめて一枚は描かせたい!ということで、移動も密にならないようになど対策をしっかりした上で、都内にある善福寺公園に出かけてきました。
こうした状況下で条件に合う場所を探すのはなかなか大変でしたが、講師陣で色々探したり、実際に行ってみたりして決めたので、非常に良い公園でスケッチすることができました。
色々な風景が楽しめる公園です
池があり、林があり
動植物も沢山
鯉のぼりも
この日は天気も良く、絶好のスケッチ日和でした。
それほど大きくはない公園ですが、風景にバリエーションがありみんなで描くにはとても良い場所です。自分がどんな場所に惹かれるかを知る上でも風景はとても勉強になります。出かけられて良かったです!
そして5月は色々なお花が咲くシーズンでもあります。庭で摘んだり、花屋で自分の好きな花を選んでもらいアトリエでスケッチしました。大小様々な花でアトリエが満開になりました。
自分の好きな花のことを調べて、より深く知るのもとても重要です。また花の組み合わせや、活け方も工夫すると見え方もガラッと変わります。
今回は風景と花のスケッチ課題をお伝えしました。普段からスケッチを重ねていくと、ものの見方も深まっていきます。習慣にして欲しいです。
次回は6月の日本画の授業風景をお伝えしたいと思います!
【基礎中学】動物クロッキー
こんにちは、基礎中学専攻です。
今回は、高校受験コース&中学美術コース合同での "動物クロッキー" です!
動物は、うさぎと烏骨鶏、それぞれ2羽ずつお呼びしました。
「クロッキー」とは、簡単に言いますと 速描き です。
短い時間でモチーフの形や動き、構造などを捉えます。パッと印象をつかむようなイメージでしょうか。
最初の数分でモチーフを正確に捉える力は、時間の限られている入試でも重要になってきます。
また、普段と違う視点でモチーフを見るきっかけになったり、学びの多い課題でもあります。
最初はみんな少しぎこちなく始まりましたが、色んな画材を試す生徒や、場所を移動しながら制作する生徒など、色々試す内にだんだん力を抜いた柔らかいクロッキーが出てきました。
クロッキーは思い出した時にパッとできるので、普段からやるようにするのがおすすめです。
身近な人でも良いですし、生き物だけじゃなく普段授業で描いているような動かないモチーフも、クロッキーを通して短時間で正確に捉える練習をすると、力が付きますよ。
さて、もうすぐ夏ですね!
受験生の夏休みはやることが盛りだくさんです。体調管理に気を付けながら、着実にレベルアップしていきましょう。
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夏期講習のお申し込みはこちらから!お待ちしております。
[発泡スチロール彫刻] 石膏像をカービングで模刻! ~メディチ編~
今回はメディチの首像をカービングで模刻していきたいと思います。
そもそもカービングとはなにか。
カービングとは彫刻と言って誰もがイメージするような木や石などを削り出して造形する技法になります。
素材は「発泡スチロール」です。
誰でも気軽に手に入る素材ですね。軽くて、切りやすく、木や石に比べて非常に簡単に造形することができます。
ちなみに、アニメやゲームのイベントで設置されるような大きな造形物も発泡スチロールなどの素材がよく使われていますね。
カービングは普段粘土で作っていくのとは違って、一度削り落としたら元に戻すことはできません。それゆえに十分な計画立てつつ、なんども素材にデッサンしていくことで、一つ一つの造形を正確に進めていく必要があります。
しっかり見比べていきましょう。
軽い素材ということもあって、普段では見比べにくい上からの視点も今回はじっくり見ることができますね。特に石膏像の髪の毛は上から見たときに大きな流れがよく見えます。
最終的に大事になるのはなんだかんだ「どんどん作っていく」ことです。
虎穴に入らずんば虎子を得ず。
削り出さなければ何も見えてきません。失敗してもいいんです。
その失敗と向き合うことで前に進んでいくことができます。
美大受験はそんな純粋な向き合い方ができるかどうかも鍵になってきますね。
では、生徒の作品を紹介します。
htさんの作品です。
荒削りではあるものの、メディチの印象をよく捉えています。
形のつながりと、光の印象を慎重に探ることができていますね。
普段と違う技法、素材に触れたことで、よりモチーフを観察することができたと思います。
今後の課題に活かしていきましょう!
日本画本科(昼間部)モチーフつくりゼミ2019
日本画本科(昼間部)モチーフつくりゼミ2019
1学期を振り返り、少し変わった課題を紹介します。
[ものつくりゼミ]
毎年恒例のモチーフを作る課題では、1学期に「草木染め」・「苔玉作り」・「園芸」の3種類を今年はやりました。これは決して遊んでいるわけではありません。絵を描く上で大切なモチーフに対する理解と思入れを深くするためなの授業なのです。とはいえ、土いじりや草木を扱っているとそれだけでリフレッシュし楽しいのも事実ですね。ワイワイにぎやかに作業は進められました。
「草木染め」
今回はヨモギの生葉から黄緑色をだすのと、藍染めの2種類をやりました。
まずはモチーフにするストールをヨモギで草木染めをしました。絹のストールです。これは次の日に静物着彩で描きます。自然の落ち着いた草色とヨモギの香りを思い出して制作できると思います。
藍染めと余ったヨモギの染液は、学生が何か染めたいものを家から持ち寄り各々楽しんで染めました。Tシャツ・服・カバン・手ぬぐいなど絞りなどもいれ綺麗に染め上げました。アトリエにヒモを渡して干している光景は、なかなか美しく、草の香りがアトリエ中を満たして楽しいです。自然からこんな色が出るなんて不思議です。
ヨモギを細かく切る
室内乾燥
制作中
本科(昼間部)作品
本科(昼間部)作品
「苔玉作り」
苔玉は、花屋さんやインテリアでたまに見かけますが、自分で作るのは初めてという学生はたぶん多いと思います。泥んこ遊びの様で懐かしく楽しかったです。幾つかの種類の土をブレンドし、胡粉を練るようにして土団子を作り、それに植物を植えて最後に苔で土団子を覆い糸でグルグルに固定します。時間がたつと苔が馴染んできて良い感じの苔玉が仕上がります。大きいのやら小さいのやら何だか個性がでますね。ちょうど梅雨時なので苔玉は元気です。
この苔玉は、鮎やヤツデなど他のモチーフと組み合わされ、1人1卓セットの静物着彩で描かれます。風情のある旬なモチーフなので、季節感や雰囲気が絵画的に描かれています。
講師による実演
完成
制作風景
本科(昼間部)作品
専科(夜間部)作品
「園芸」
敷地内の小さな花壇にモチーフで描く植物を植えて育てています。以前植えた鉢植えのアジサイが数年でこんなに大きくなるものです。毎年梅雨のアジサイの時期には学生がハサミを持って自分が描きたいアジサイを切って他のモチーフと組み合わせてアトリエで描きます。花屋さんで売っているお花よりも形や大きさ、そして色にもばらつきがあり、むしろそのばらつきが絵になり面白いのです。今年は夏期講習や2学期頃に描くための植物を新たに植えました。鉢植えも加えて、ひまわり・コスモス・シソ・ツルニチニチソウなども卓数を考えたくさん植えました。若干、鳥にタネを食べられたりもしましたが順調に育っています。学生は、以後自分で描く事になる植物を、タネや小さな苗の頃から観察しているのでよく理解できているし、思入れも持てていると思います。
大きくなったガクアジサイ
ひまわりの芽が出てきた
今年の新作たち
ベランダで育てます
色々なアプローチで制作をしてきた1学期もそろそろ終わり
夏期講習の時期です。河合塾日本画科ではこの夏、実力アップを
目指すやる気のある学生を募集しています。これから始める人も
大歓迎です。不安な事があれば講師に何でも相談してください。
キャリアがある受験生も、もちろん大歓迎です。合格を目指すために何が
必要かアドバイスできると思います。この夏頑張りましょう。
夏期講習はこちらから
http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/short/
7月14日(日)に夏の公開授業(有料)を行います。
[日本画着彩道場]では今回「筆」に焦点を当てて種類や使い方などを分かりやすく
指導します。
http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/news/event_detail.html#002
本科専攻合同ハイク
先日、本科生の親睦を深める為に日本画・油・彫刻・デザイン・先端の5専攻合同でハイクを行いました。
場所は小金井公園です。天気にも恵まれ気持ちの良い日になりました。
午前中は「江戸東京たてもの園」を見学!
1993年(平成5)江戸東京博物館の分館として建設され、現地保存が不可能な文化的価値の高い歴史的建造物を移築・復元・保存・展示された博物館。敷地面積はなんと約7ha(7万平方メートル)!広すぎて単位にピンときませんね。
とにかく、広くのびのびと見学でき、皆とても楽しく勉強させていただきました。
運良く風車つくり体験ができる日だったので、皆んなこぞって作りに。
皆んなで一緒にお昼をしたあとは野原でレクリエーション!
しっぽ鬼、大縄跳び、シャボン玉など楽しみました!
いつもは静かに座って、一生懸命制作している皆ですが、一歩外に出るとこんなに動けるとは。。!
生徒の若さをしみじみと感じました。笑
とにかく、思いっきりたのしむ!予備校ですがそんな日もあって良いですよね。
この日をきっかけにすこし各科が仲良くなったかな?
皆さんお疲れ様でした!
日本画本科:着彩ことはじめ
こんにちは!日本画本科です。
本科の授業では、レベルやタイプに合わせて課題を分ける授業も行っています。
今回は2コースに分かれて、一つは背景を付け「テーマを決めて魅力を出す」課題と、
もう一つは基礎をおさらいする課題として、「着彩ことはじめ」という授業を行いました。
「着彩ことはじめ」では様々なモチーフを描いてみることで水彩絵具の特徴について学びました。
講師も一緒に描いて見せて大事なポイントを伝えます。
レンガ
土を固めて焼いたものなので乾いた感じ。重たい感じを出す。絵具の水分量が多くなりすぎないよう注意する。
直方体なので見えている3つの面の明るさの違いを最後まで描きわけながらつめていく。
色分けにならないよう質感を早めに描いていく。
タマネギとオレンジ
タマネギとオレンジの質の差を描き分けるため、色の違いだけでなく、水分量にも差をつけて描いていく。
日なたと陰の差を描き分ける。
その他にも三原色や色相環、色の特性について学びました。それらを理解していると、実際に描く時になるほど!と思えることも多いはずです。
着彩を始めたばかりの人は混色や濃度など難しいことが多いと思います。
絵具に慣れるのに少し時間がかかるかもしれませんが、怖がらずどんどん使ってみましょう。
まずはやってみて知る!教えられることより自分が経験したことが一番勉強になります。
河合塾では6月に藝大一次模試(公開コンクール)があります。ぜひ参加して今の自分の腕を試してみましょう。
また、6月は無料イベントがたくさん!
ぜひチェックしてみて下さい!!