2018年05月 の記事一覧
カワイセンタン 文字だけブログ その2 〜東京芸大の入試説明会について思うこと〜
みなさま、ごきげんうるわしゅう。
カワイセンタン、文字だけブログpart2、前回の予告通り、今回も文字だけでお届けいたします。
今回のメインテーマは「東京芸大の入試説明会について思うこと」。
けれどその前に、河合塾美術研究所先端芸術表現専攻からのお知らせをひとつ。
!!!「本科」と「専科」の無料入塾体験があります!!!
・本科の体験授業について
日程:6月3日(日)〜6月5日(火)
時間:6月3日は9:30〜18:00、その他の日は9:30〜16:30
内容:「作品構想演習」(ようするに「個人資料ファイル」のための作品制作ね)
• 専科の体験授業について
日程:6月3日(日)
時間:9:30〜18:00
内容:「作品制作演習」(短時間集中の作品制作体験ね)
どちらの授業体験も、「全部の時間帯に出るのむり!」の場合は融通がききますのでご相談ください。
この「無料入塾体験」、短い時間でいったいなにができるの? そうお考えになる人もいらっしゃるでしょうね。
そういう方には、フィッツジェラルドという小説家の短編「失われた3時間」をおすすめします(村上春樹訳ね)。
飛行機の乗り換えの3時間、ふと立ち寄った思い出の町、恋の記憶、その人との思わぬ再会、そして・・・わずか3時間でなにが起こったか。(という話だったと思うのですが、まちがっていたらごめんなさい。ぜひ作品をお読みになって。)
つまりは3時間あれば人生は大きく変わるということです。
9時間あれば、3日間もあれば、なにかが変わる、あなたが望めば。
以上、河合塾美術研究所先端芸術表現専攻、初夏の「無料入塾体験」のお知らせでした!
さてメインテーマ。
来月6月24日(日)に開催される東京芸術大学・美術学部入試説明会について思うこと。 → 詳しくは東京芸大の入試情報サイトをチェック!
毎年、入試説明会に行くと、拍子抜けするんですよね。「そんなの知ってるよ!」という情報ばかりで、聞きたいことを教えてくださらない。
たとえば「センター試験の得点率」。何割取れば有利なの?
学校側の回答は「合否の参考にします」ということのみで、何割とれば有利になるとかは、口が裂けてもおっしゃらない。
また「個人資料ファイルのページ規定」。答えはいつも「20ページ以内です。守ってください。」 えっ? えーっ!!
そして、参考作品として紹介される「デッサン」や「総合実技」の作品。(小論文や個人資料ファイルは、去年は、絵画棟1階のアートスペースに展示されてましたね。)なるほど、そういう作品を評価するのね、と思いつつ、受かっているのはその系統だけではないよな、という印象。
なにが言いたいかというとですね、入試説明会で示される内容と、実際の受験生たちがしていて合格していることが、決してイコールではない、という印象なんです。
大学側の公式見解ですから、あまり下手なことは言えないのはわかっています。とはいっても、「公式見解なのだから、それが正しい、それ以外はだめ」と思い込んでしまう人もいるかもしれないなあと、ちょっと心配してしまうのですね。
みなさん、試験であっても、どきどき、わくわくして臨みたいですよね。
大学の先生たちも、どんな新しい才能と出会えるか、どきどき、わくわく、楽しみにしているんじゃないかと(勝手に)思ってます。
現代アートは、いろいろな決まりごとに立ち向かって、表現のあり方を変えようとしてきたという歴史があります。
カワイセンタンは、試験でも、その心意気を大事にしたい。
試験に自分を合わせようと気にしすぎて萎縮しないでほしい。
試験で課せられているものを通して、自分の表現を解放してほしい。
今回も文字だけで長々とごめんなさい。
最後までお読みいただいた方、ありがとう。
試験は、たかが試験だけれど、人生の大事な分岐点になることもあります。
だからこそ、思いっきりやりたいですね。
カワイセンタン文字だけブログ、またいつかお会いしましょう。
【GW 日本画特別企画】レモコン授賞式
河合塾では定期的に「らしさコンクール」を行っています。
与えられたお題のモチーフを描き、河合塾内全体で投票をおこなうコンクールです。
今年度第一弾のお題は《レモン》!
日本画の生徒はGWの宿題になっていたので全員参加でしたが、他専攻も有志で参加していただきました。
たくさんの作品が集まって階段前の壁がレモンだらけになりました!
そして、いよいよ受賞式の日に。
生徒に見守られながら採点しています。。
いよいよ発表!!
受賞者の作品を紹介します。
一位!彫刻本科生 Hさんの作品
大胆な構成で目を引きました。色がかわいい!と感じた人が多く、人気だったようです!
第二位!日本画本科生Hさんの作品
一位と一票差で、僅差でした。惜しかった!
爽やかな色味がレモンらしく描けています。念密な観察を感じる作品です。
第3位!日本画本科Sさんの作品!
レモンの断面を水彩で瑞々しく表現していますね。透明感がGOOD!!
同じく同票の第3位!油画専科S君の作品
すべての作品の中で唯一油彩で描いた作品でした。油彩独特のやわらかな質を感じます!
授賞式に参加してくださった受賞者で記念撮影☆
おめでとうございました!!
残念ながら受賞に至らなかった作品の中にも良い作品はたくさんありました。
全てお見せできないのが残念。。
河合塾生には、このらしさコンクールを通して人に作品を見せるという事を感じ、考えてくれればと思います。
まだまだ第二弾、第三弾と続きますので、また奮ってご参加ください!
塾生のみなさん参加・採点の協力ありがとうございました!!
《お知らせ》
毎年恒例、6月16・17日日本画芸大模試の受付がスタートしました!
申し込みはこちら↓
https://www.kawai-juku.ac.jp/trial-exam/ptc/
こちらはまた詳しい情報を後日ブログでお知らせいたしますので、チェックしてみてくださいね!
6月4〜9日と、6月18〜23日には無料体験が開催されます。申し込みはこちらから!↓
http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/news/event.html
みなさんの参加お待ちしております!
【日本画 本科(昼間部):クロッキーを通して構造を知る】
この時期は日本画科に限らず絵画科志望の学生が苦手とする「構造」をクロッキーを通して基礎を学ぶ授業がメインです。
今日は「鳩」をみんなでクロッキーしました。細かな描写をベースとする具象作品を多く目にすることが年々増えてきていますが、そういう絵にこそ基本的な構造を理解した視点を持ち合わせてないと見る人が見れば。。。ということにもなりかねません。そうならないために興味があるないに関わらずしっかり構造を理解しておくことをお勧めします!
構造という言葉を聞くだけで反射的に難しい。。と思ってしまう人も多いようですが、「仕組み」「成り立ち」と言い換えることも出来ます。つまり表面だけを頼りに観察するのではなく、どんな作りになっているかを理解し把握した上で描きましょうということです。
骨格
詳細な名称を記憶する必要はないと思いますが重要な骨がどのようについているか?関節はどちらに可動するのか?
あらかじめ知っておきましょう。人と鳥と比較して理解することが出来ます。
重心
人の場合は頭の真下に重心があると考えて良いと思いますが、鳥の場合は必ずしもそうではありません。
鳥の中でも歩行が得意な鳥と泳ぐのが得意な鳥では足の付く位置は様々ですが頭と尾と足の接点を結ぶ三点のバランスを見ると重心が安定します。
制作風景
鳩の可愛らしい仕草にときどき癒されながらも真剣に取り組んでいます。
動くものを描く
ふだん静物を描き慣れていると動くものを描く時には戸惑うこともあるかもしれません。それは知らず知らずのうちに写す癖がついてしまっているからです。画面に目を移してモチーフに戻るともうポーズが変わってしまって困ったということは描いたことがある人ならば誰でも経験したことあるでしょう。動くものを描く時は目の前のものを写しとるのではなく、バランス的にはこうなるだろうと予測して画面だけを見てペンを走らせるのがコツです。そのため「正中線」がどこになるのか、左右に同じ形が同じボリュームであるかの確認は欠かせません。たとえ画面上に描かれていなくても把握しておく必要があります。
このような『構造的な眼』を持つことで自然で生き生きとした生命感のある動きを自在に描くことも可能になっていきます。
写真を撮るように写し取るだけでは面白味に欠けると思います。絵はあくまで現実ではない嘘の世界です。嘘の世界がより説得力を持ち魅力的になるよう楽しんで学んでください。
生徒作品と講評風景
日本画 専科(夜間部):構造・成り立ちへの理解
こんにちは!すっかり暖かくなってきましたね。
4月から新学期が始まり、早くも一ヶ月が経ちました。
今日は日本画科専科の4月の授業を紹介します!
【構造・成り立ちを知る①】
毎年恒例で行っている授業です!
構造・成り立ちを知る①では、百合と林檎を描きました。
百合はどんな構造になっているのか?
分解してみた時にどんな構造になっていて、どういった成り立ちでこの形になっているのか?
ということを考え、理解して描くという課題になっています。
ちょっと贅沢ですが、二人で二本の百合を描いています。
短い時間の中で、集中して描けていました!
りんごも同様に、紅玉・フジ・王林の三つの種類を切って、三種類のりんごの共通しているところなどを見て、どうやって実に成っていき、この形になったのか、などレクチャーしました。
(この課題は画像を撮る暇がありませんでした(笑))
【構造・成り立ちを知る②】
人物ヌードデッサンを行ったのち、石膏像 円盤投げのデッサン課題。
人物ヌードデッサンでは彫刻・油・日本画合同で制作しました。
室内の暑さだけでなく、みんなの食らいついて描いている熱気でアトリエはムンムン・・!専科生だと侮れない良い作品が集まりました。
立ちポーズのモデルさんを描きながら、人はどんな風にバランスをとってた立っているのかなど、体の仕組みを理解して描く課題です。
そして、その人物デッサンを踏まえて円盤投げ(石膏像)のデッサン。
石膏像はデッサンをするために、紙のサイズである木炭紙大の比率に合わせて足などを切って複製されています。
全身の石膏像がどんな風にたっているのか、想像し、構造を理解しながら描けていたと思います。
このように河合塾では、物を捉える・絵を描くには、そのものがどんな風になっているのか?どうしてそういった形になっているのか?ということを意識して、ただなんとなく「見る」のではなく「観る」事を大事にしています。
本質を描く!これがデッサンが上手くなる重要なポイントなのです。
五月の下旬にはまた構造・成り立ちを知る③で、動物を描く予定です。専科生の皆さんはお楽しみに!
まだ先ですが6月4〜9日には本科・専科共に無料体験もありますので是非、河合塾美術研究所の授業を体験してみてください!
最後に骨格標本ちゃんと。いい笑顔!!