2019年11月 の記事一覧
'19工芸公開模試
11月16日、17日の2日間は東京芸大 工芸科公開実技模試が開催されました。
河合塾新宿校、名古屋校、そして一般から多くの受講生が集まり、大変有意義な
コンクールとなりました。
写真は1日目、鉛筆写生の全体講評の様子です。
全体講評の後は 個別講評に移り、1点ずつ丁コメントを入れていきます。
2日目は 平面表現です。
個性的な素晴らしい作品が並び大変勉強になりました。
個別講評の様子
個別講評の様子
天気に恵まれた2日間 本当にお疲れ様でした。
最後は表彰式です。
入試まで3ヶ月程となりました。
今回の結果を踏まえて、各自の課題が見えてきたと思います。
皆さんの検討を祈っています。
工芸科 講師一同
東京芸大デザイン公開実技模試
11月9日、10日の2日間にわたり、東京芸大デザイン公開実技模試を実施しました。
河合塾新宿校、名古屋校、そして一般からも多数お申し込みいただき、大変盛り上がりました!
1日目は鉛筆デッサンです。
鉛筆デッサンは石膏と構成の選択制です。
写真は採点会場の様子。
まずはランダムに並べて全体のレベルを見ています。
採点が完了したら講評です。
学生であふれ返っています。
2日目は色彩構成です。
こちらはアトリエの様子。
3つのアトリエに分かれて制作しています。
そして講評。
上位作品はスライドに映して講評します。
人数が多いですが、遠くの人も細部まで見えるように配慮しています。
最後は表彰式です。
東京芸大入試まで4ヶ月を切りました。
今回の模試の結果を受けて次なる目標や課題が見つけられたでしょうか。
模試に参加してくださった方皆さんの健闘を祈っています!
また、12月15日には武蔵美視覚伝達デザイン学科の公開実技模試を実施します。こちらも是非ご参加ください!
基礎専攻 秋の野外スケッチ
秋晴れの新宿御苑にスケッチに行きました!!
素晴らしいお天気!!空気も清々しい!
中学1年生から高校2年生です。みんなで自己紹介をしてから出発!
さて、どんな1日になるのか?
季節的には、バラが見頃でした。
集合時間と場所を確認して、各自モチーフを探しに出かけて行きます。
温室の中は、外とは違う空気感です。
タブレットを使って、スケッチする学生もいます。
画材も、モチーフも選択自由で実施した野外授業です。
学生一人一人の自発的な欲求が大切です。
着目するモチーフや風景、その捉え方に個性が光ります。
どんな発見があり、どんな作品が生まれるのか楽しみです。
かりんがたわわに実っています、バラ科だそうです。
鯉 うようよ・ぱくぱく
彼女は、泳ぐスッポンも発見しました!
『おいしい景色』がテーマです。
最後に、この日の成果を発表し、講評会。
それぞれの視点、発見が瑞々しく、技術を学ぶだけでない、一人一人の中にある大切な要素を確認しました。
作品の抜粋を紹介します。
白抜きにした自分の足 落ち葉とのバランスが美しい
タブレットスケッチ 要素を独立させてもきれい!
線が、活きています。眼差しの暖かさが伝わります。
二つの視点で取り組んでいます。今後の制作に繋がる高度な取材です。
色の変化にこだわりました。木の下の暗さが、葉の輝きを際立たせています。
葉の柔らかさ、枝の強さ、モチーフを質を感じて取り組んでいます。
リズムも良いです。
お団子も美味しかったね!!
これからも、「自分のスケッチ」大切に継続していってください。
油絵東京芸術大学実技模試-油彩-
ここ数年、美大・芸大受験のための予備校では河合塾含め、おそらく全国的に、東京芸大模試の油彩を行うところは稀でした。油絵専攻なのに油絵の模試を行わず、模試もなく本番の、入学受験を迎えねばならない人は多くいます。何故でしょう?
理由の一つに上がるのは、
「油絵はお金(画材費)がかかる!」
これは確かに言えることかもしれません。受験にあたっての金銭的ハードルの高さは、多くの美大受験者が油絵に対して持つ印象でしょう。
また、東京芸術大学は入試の画面サイズが、F30(909×727mm)という大きな画面に変わりました。一次試験が倍版木炭紙(1000×650mm)に変わったのもまだ記憶に新しいことです。...お金が掛かる、、(掛けない方法は沢山ありますけどね)
がしかし、河合塾では今年復活を果たしました!!させることができました!
「自由」とは、不自由さを知ったのちに感得できる、
と言いあらわされることがあります。
課題は「自由に描きなさい。」
配布したモチーフはこれ↓
...さて、みなさんならどんなものを描きますか?
水の入った風船に何を見出しますか?
想像の選択領域が広すぎて、思い切った絵がイメージできなくなる人もいるでしょう。
11/3(日)〜4(月)に行われた模試には河合塾名古屋校からの作品も集まりました。
参加した人たちは、正しさのない課題に取り組むなかでも、その窮屈さから解放されて、あっこれじゃいけない!自分の絵が描けなくなる、って気付けた、ハッとする経験になったんじゃないかと思っています。表現して、それを誰かと共有したい、そんな絵が多くあるなか、講師側もポジティブに採点、評価することができました。
...かつ、辛口...合格圏内の評価は出しませんでした。
作品は全員分一点一点講評し、各自、問題点も明確になったと思います。
成長には謙虚であることが必要です。人に批難、指摘されても、自分の中の「正しさ」に辿り着くには、時に自身の信憑するものを強く拘泥し、そこに懐疑も抱き、自分のものさしを確実なものにしていく。
話を続け
自らの勇気と機知について
自分に話すように話し、
明快なことには、絵筆の調子も変わらないでしょう。
わからないことに目を向けてみて、
わからないなりにも、
「こうじゃないか?」
と見出したものをどれほど貪欲に貯め込んでいるか、
それを見ただけでも心に残るものがあります。
皆さんの作品を見せに来てください。
碓井ゆいさん アーティストトーク
2019年11月4日 河合塾美術研究所1Fロビー
河合塾美術研究所ギャラリー Kart Invitation Program の10周年に際し、VOCA展2018でVOCA賞を受賞し、あいちトリエンナーレ2019に招待された、河合塾美術研究所出身である碓井ゆいさんに、河合塾時代が現在のご活躍にどう繋がるか、語っていたただきました!
●60・70 年代アートに触れ、カッコイイ!と思ったことが原点?
司会 受験時代のことや、現代アートに対する興味を持ったきっかけなどを聞かせてください。
碓井 河合塾美術研究所の授業で現代アートのゼミがあり、ヨゼフ・ボイスや、ロバート・スミッソンを見せられて、こういう世界を自分は目指しているのかな、と思ったことがきっかけです。受験時もオールオーバーな、平面的な絵を描いていて、その世界観は後にも繋がっていると思います。多摩美入学後も油絵は描かず、卒業制作もドローイング的な作品を描いていました。
「河合塾時代の静物油彩」
司会 作品のテーマ性は、まだ強くない時代ですね。
碓井 当時のアートシーンは、日常をテーマにした展覧会や、私的で小さな世界をモチーフとした作品が多かった時代で、その影響もあったのかもしれません。大学院は、京都市立芸大に行ったのですが、ものの痕跡などに興味を持って制作をしていました。修了制作は、パーティーの痕跡を、素材をエイジングさせることで表現しています。
「after the party」
司会 喪失感を感じさせるダークな影の面も見えますね。その後の作風も少し感じます。エイジングは、拾ってきたのでなく自分で一から作る。
碓井 そうですね、わざわざ作り込むめんどうくささ...描いたものを汚して壊す狂気のような、人間の欲求にも興味がありました。
●東日本大震災を転機に社会問題に関わる
碓井 2011年の震災、原発問題は本当にショックで、これを機に社会構造に関 わる本を読むようになりました。その中でフェミニズミの本は、ダイレクトに自分の生き方に関わっていると感じたのです。今回展示している「shadow work」は、家事など、女性の労働とされがちな無報酬の労働をシャドーワークと言いますが、実際の「刺?」や「影」と意味をかけています。
「Gallery Kart会場風景」
司会 これまで、個人的で些細なところから作品を作っていたところに、甚大な自然の力と政治的な問題が身に降りかかり、外部のことを考えざるを得なくなったということでしょうか。
碓井 そうですね。ただ、作品を作ることは、政治的なことを伝えるために行っているわけではありません。VOCA賞をいただいた「our crazy red dots」は、高校(都立国立高校)時に疑問を持った国旗問題からで、あいちトリエンナーレ2019に出品した「ガラスの中で」は、自分の不妊治療の体験から生殖医学に関わるモチーフを用いていますが、そういうことを考えている人間がどういうものを作りだすのかを見てほしいです。
「our crazy red dots」撮影:上野則宏氏
司会 先のダブルミーニングだとか、意味と形象を結びつけることは常に考えているのですか?
碓井 ネタ帳はつくっていますね。意味とかたちは、作品によってすぐに繋がったり、繋がらなかったり...「our crazy red dots」の時はすぐにかたちにできましたが、あいちトリエンナーレの時はすごく悩んだり。ネタ帳も、そのまま使えないものがほとんどですが、それでも本を読んだり、映画を観たり、インプットをたくさんしてほしいです。
●美術をやる限り政治的なことから逃れられない
質問 制作をする上で「核」となるようなものはありますか?
碓井 まだ探っていますね。最近は、説明的な意味での「ことば」に頼らない作品を心がけています。造形的な理由と、みんなが文字を読めるという前提に対する疑問からです。
質問 政治に巻き込まれても作る理由は?
碓井 美術をやること自体、政治的なことから逃れられないと思います。それがなければ、アートはただ、趣味の問題になってしまい、力のある人の価値観が勝るということになってしまう。別の政治的な考え方を取り入れないと、それを乗り越えられないと思います。
司会 「別の政治的な考え方」という視点はすごく大切ですね。本日はありがとうございました。
建築 東京芸大実技模試実施
今年度もまた、10/19、20の土日2日間、
河合塾美術研究所新宿校建築専攻で東京芸大実技模試が行われました。
今年度は昨年度よりも多く、遠方から参加した人なども含めて全員で29名ほどの受験生が集まり、
普段の授業よりも緊張感があふれ、皆さんの熱気が伝わる模擬試験となりました。
実際の入試と同様の時間で、1日目に空間構成、2日目に総合表現を行いました。
空間構成の問題はベーシックな影問題というものでしたが、まだまだ影や図法の理解が足りなかったり、描写表現が拙かったりする部分が見受けられる人も多かったです。
これから試験までに足りないところをしっかりと克服してほしいものです。
総合表現の問題は、形態の操作の条件が決められており、「異なる行動を喚起する3つの場」を考え、表現するものでした。
与えられた条件をうまく捉えてどれだけ自由に発想できるか、またその発想した空間をどれだけ伝わるように表現できるか、
などが重要なポイントとなります。
文章も含めて、表現力はまだまだの人も多かったので、わかりやすく伝わる表現を目指し、みなさん頑張ってください。
今回の模試は、参加者のみなさんも現在の自分の実力を測る良い機会となったようです。
まだまだ試験まで時間はありますので、しっかりと現状の自分の実力を見つめ直し、
本番では力を十二分に発揮できるように準備していきましょう。
日本画専科 授業風景
こんにちは!日本画専攻です
先日、専科生の授業ではミューズコットン紙を使って石膏デッサンをしました。
ミューズコットン紙は通常の白い紙と違って、紙に色があるので、デッサンをする際の色の組み立てを、普段以上に意識しなくてはいけません。
白い紙では表現しやすい、暗さと明るさの関係を全て自分で設定して作っていかなくてはいけないのがこの課題の難しいところです。
初めてミューズコットンに描く人もいる中で、みんな頑張って制作しています。
3日コースの講評風景です。
完成度の高い仕上がりで、それぞれ良い作品になりました。
こちらは6日コースの講評風景です。
どう描いたら良いか手探りの中でも、粘り強く作品に取り組む姿勢が見れてとても良かったです。これから冬期講習に向けて形の精度を高めていけるともっと良いですね!
普段とは違う条件で制作することで、改めて自分のプロセスなどを見直すきっかけになり、新しい発見ができたのではないでしょうか
学業との両立で忙しい中、みんなお疲れ様でした!
冬期講習の申し込み受付もスタートしています!是非奮ってご参加下さい。
http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/short/
2019無料体験イベント(着彩コンクール&石膏デッサン)
こんにちは、日本画専攻です。
今年は台風の影響で、毎年恒例の芸大模試が中止となってしまったため、急遽、別イベントを開催しました。
◇10/14(月祝)歴代合格者作品展・学外生作品講評&相談会
東京芸大入試の再現作品を公開しました。1999~2019年度までの20年分もの東京芸大の一次・二次試験が見渡せるだけでなく、再現作品の合格者がどんな作品を描いていたのか、同作者の参考作品も展示しました。長年受験生を見守り続けてきたキャリアの長い講師陣がいるからこそできる展示です。
駆けつけてくれたたくさんの受験生、ありがとうございました。観るチャンスが滅多にない貴重な機会だったと思います。
同会場では、持ち込み作品の講評や相談会も行いました。たくさんの学外生が来場し、本当はもう少しじっくり話せると良かったのですが、半日だけのイベントということもあり慌ただしくなってしまいましたね。時間が許す範囲で一人一人作品について講評させていただきました。
◇10/15(火)--16(水)無料体験入塾・着彩コンクール(新宿・名古屋校合同)
中止になってしまった芸大模試の代わりに、無料体験入塾イベントでコンクールを行いました。新宿+名古屋+学外生でのコンクールですので、規模は模試とほぼ同じ!学外生にとっては、無料でコンクールが受けられるとてもお得な機会となりました。学内生にとっても、普段あまり見られないタイプの絵に触れられることは良い刺激になったようです。
全体講評は別日になってしまいますが、11/7(木)14:00〜16:30を予定しています。名古屋校からも講師が出講しますので、受講した学生は、是非聞きにいらしてください。採点時にも、名古屋の講師が皆さんの作品をじっくり見てくれました。
予定があって、講評には来られないという方も、後日作品の講評を添えたカルテを作成し郵送致します。
◇10/17(木)--18(金)無料体験入塾・石膏デッサン/ヘルメス
こちらは通常授業での無料体験入塾イベントです。学外生が普段の河合塾の授業を体験できます。一人一人の足りないところを補えるよう、石膏デッサンのノウハウをきっちり身につけていく指導を心がけています。
今回東京芸大の公開模試は中止となってしまいましたが、11/16(土)〜17(日)に名古屋校にて、愛知芸大の実技模試を実施します。愛知芸大を受験する予定の方は、是非ご参加ください。申し込みは11/6(水)18:00までとなっております、ご注意ください。
https://www.kawai-juku.ac.jp/trial-exam/ptc/tkh/2nd-exam/
武蔵美視覚伝達デザイン学科コンクール!
デザイン・工芸科/私大VDコースで武蔵美視覚伝達デザイン学科の内部コンクールを実施しました。
河合塾のデザイン科の内部コンクールは本科生、専科生に加えて社会人講師、学生講師も実技に参加します。今回はデッサンに4名、色彩構成に3名の講師が参加しました。
専科の鉛筆デッサンの講評の模様です。
モチーフはポリタンク、黒ビニール、パプリカ、白布でした。上位は講師作品が占めてる、と思いきや生徒の作品も食い込んできていますね!すごい!
黒ビニールのシャカシャカした質感が描けていて、赤や黄色や白の色の差が自然に表現できているものが高得点をとっている印象でした。
こちらは専科の色彩構成の講評。
課題はアルファベットとリボンをモチーフとし、「匂い」または「香り」を表現する、というものでした。こちらの上位にも生徒作品が入っています!すごい!
匂いの表現に加えて、ダイナミックな空間作り、画面構成ができているものが高得点でしたね。
上位作品は廊下に掲示されます。河合塾は講師のデモストがすごく多いですが、講師作品に見劣りしない生徒作品も徐々に多くなってきています。頼もしい!
12月15日には武蔵美視覚伝達デザイン学科の公開模試を実施します。一般生のお申し込みもまだまだ受け付けております。視デを受験する方はぜひご参加ください!お待ちしています!