河合塾美術研究所 新宿校 授業風景

日本画専攻 の記事一覧

日本画本科:モチーフ作りゼミから制作へ

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2021年 07月 24日 18:17

こんにちは。日本画本科です。
河合塾では毎年、「モチーフを作るゼミ」を行っています。自分で作るとどのようにできあがっているか理解が深まり、愛着が湧きます。
また、絵のモチーフにするという前提があるので、絵になったときに映えることを考える勉強にもなります。




自分たちで制作した巣箱と、生きている小鳥をモチーフに三日間の静物着彩を行いました!
今回は文鳥2種、キンカチョウ、インコがアトリエに来てくれ、アトリエは終始鳥の鳴き声が響き、森の中のような雰囲気でした。



課題は巣箱のある静物に小鳥がいる絵を描くこと。小鳥はケージに入っているのでそれをスケッチして画面に配置します。

普段はモチーフをセッティングしたら、あるがままに描くのですが、今回のようにケージに入って動いている小鳥を絵の中の空間に自然にいるように描くのはなかなか難しいものです。

動く小鳥をたくさんスケッチして、どのような身体の構造になっているか、どのように動くかなど理解を深めます。
スケッチで大切なことは、羽の模様などの細かな情報を拾うだけでなく、対象の成り立ちや特徴を理解するということです。



スケッチしたものを絵の中に配置して描いていくと、辻褄が合わなかったり不自然なところが出てきます。それをまた実物を観察して修正します。これを繰り返すと、スケッチの段階で観なければならないこともだんだん分かってきます。

自分で作った巣箱も色や質感、こだわって作ったポイントなども描写し、魅力的な作品が多く見られました。モチーフへの理解を深める楽しさ、それを描く楽しさが体験できた一枚になりました。



夏期講習も始まっています。講習では受験の実践的な課題が多くなりますが、引き続きモチーフの理解を深め、学ぶ夏にしていきましょう!

【日本画専攻 授業風景(6月)】

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2021年 07月 11日 11:34

こんにちは。日本画専攻です。
前回に続き河合塾日本画専攻の1学期授業での少し特殊な課題を6月の授業からピックアップします。

まずはモチーフ作り課題!生徒自身の手でモチーフを制作し、作ったモチーフを絵に描くという課題を毎年行っています。講師が創意工夫し、毎年様々なものに挑戦しています。

今年のモチーフ作りは「鳥の巣箱」。
木材をのこぎりでカットし、釘を打つ。と言うと簡単に聞こえますが、実際作ってみると、シンプルに思えるものでも色々な作業があり、工程も複雑ですよね。のこぎりやクランプの使い方も、知ると効率がぐっと上がります。


道具の使い方や作業工程をレクチャー



道具を使いこなすために、自分の体の動きを意識することも大切です。


止まり木の選び方で個性が色々出てきます。あとは塗装を施して完成です!



この日作った鳥の巣箱は、後日モチーフとして描きます。その様子はまた後日お伝えしますね。


そして6月は毎年恒例の公開コンクールが行われます。年2回行われる東京芸大の試験形式での模試となります。実際の試験と同じ形式・基準で審査します。
6月は一次模試にあたる鉛筆素描課題。
70名以上の学生が、12時間での石膏デッサン(ヘルメス)に挑戦しました。



模試一日目は9時半〜19時まで(1時間半休憩)
二日目は9時半〜13時半まで制作し、審査となります。

16時半からは講評会。一枚一枚丁寧に講評します。普段は知らない人の絵と、自分の絵を並べてみる機会はなかなかないので、こういう日にいろいろな見方を発見できると良いですね。



講評は19時過ぎまで行われました。2日間の夜まで及ぶ長丁場、受講生のみなさんお疲れ様でした!



日本画の二次模試着彩課題は10月予定です。奮ってご参加ください。模試の日には面談も随時行っております。外部の方もいつでもご相談ください。

模試は芸大合格基準で厳しく審査していますが、とはいえまだ6月。結果が出た人は、今後さらに上を目指して、結果が振るわなかった人も焦らず、一歩一歩着実にできることを増やしていければ、実際の試験には十分間に合います。
あくまで模擬試験なので、結果そのものよりも、次の自身の課題を見つけられるように利用してもらいたいなと思います。


夏期講習も申し込みが始まっています。
タームごとで申し込めるので希望の日時・課題を選んでいただけます。現役芸大生によるデモストがある課題もあります。受験に向けて具体的な対策が立てられる課題となっています。ただしタームごとに定員に達し次第締め切りとなります。お申し込みはお早めに!↓

夏期講習の申し込みはこちらから!↓
http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/short/ppl/

【日本画専攻 授業風景(5月)】

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2021年 06月 11日 14:21


こんにちは。日本画専攻です。
今回と次回のブログでは2回に渡り、河合塾日本画専攻で1学期に行った授業の中でも、少し特別な課題をお伝えします。今回は5月の授業からピックアップ。

5月、外に出かけるにも気持ちの良い季節ですよね。毎年日本画では屋外へ風景スケッチに出かけます。とはいえ昨年に引き続き、あいにくのコロナ禍...外出も制限された状況で、新宿御苑など恒例の公園も閉園となってしまっており、厳しい状況でした。しかし、非常に勉強になる風景スケッチ、せめて一枚は描かせたい!ということで、移動も密にならないようになど対策をしっかりした上で、都内にある善福寺公園に出かけてきました。

こうした状況下で条件に合う場所を探すのはなかなか大変でしたが、講師陣で色々探したり、実際に行ってみたりして決めたので、非常に良い公園でスケッチすることができました。


色々な風景が楽しめる公園です




池があり、林があり



動植物も沢山


鯉のぼりも

この日は天気も良く、絶好のスケッチ日和でした。
それほど大きくはない公園ですが、風景にバリエーションがありみんなで描くにはとても良い場所です。自分がどんな場所に惹かれるかを知る上でも風景はとても勉強になります。出かけられて良かったです!


そして5月は色々なお花が咲くシーズンでもあります。庭で摘んだり、花屋で自分の好きな花を選んでもらいアトリエでスケッチしました。大小様々な花でアトリエが満開になりました。




自分の好きな花のことを調べて、より深く知るのもとても重要です。また花の組み合わせや、活け方も工夫すると見え方もガラッと変わります。



今回は風景と花のスケッチ課題をお伝えしました。普段からスケッチを重ねていくと、ものの見方も深まっていきます。習慣にして欲しいです。

次回は6月の日本画の授業風景をお伝えしたいと思います!

日本画春期講習 芸大試験再現

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2021年 04月 09日 11:16

こんにちは。日本画講師のウエノです。
今回は盛況の春期講習をご紹介します。

河合塾の春期講習はこれから日本画専攻にしたいという方のための基礎コースと、経験者のための実践コースの2つに分かれて、それぞれにあった課題内容で取り組みます。



その中でも春期講習の目玉である、東京芸大の一次試験、ニ次試験の合格者の再現の様子をお伝えします。
一次試験は石膏像2体の組み合わせになっており、例年に比べて、どのように画面に入れるか作者のねらいがより問われるものとなりました。
ニ次試験は開いた傘、ヤツデ、玉ねぎなどの静物モチーフでした。

春期受講生と一緒にこの春合格した塾生たちが試験のようにピリッとした雰囲気の中で制作しました。







講評では合格者の皆さんに一言コメントをいただきました。
試験当日どんな様子だったか、どんなことを考えて制作したか、またどのように一年間取り組んできたかなど、これから一年を始めようとする受講生の皆さんにはとても参考になる話ばかりでした。





合格者の話を聞いていて感じたことは、合格者の皆さんは積極的に自分を分析して、どのようになりたいかを明確に目標立てて、そのために試行錯誤しながら取り組んでいたということです。
大学という、自由に学ぶところに進む上でとても大切なことを皆さん身につけていますね。

河合塾の指導では、皆同じ絵を目指すのではなく、それぞれの個性を尊重し、その人にしか描けない絵を高いレベルにもっていくよう共に考えていきます。また、進学してからも必要な学びの姿勢も年間の授業を通して培っていきます。

春から始める皆さん、河合塾講師一同、応援していきますので共に学んでいきましょう!

春の一歩

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2021年 03月 25日 17:30

こんにちは、日本画専攻主任の川名です。


まずは受験生のみなさん、

長い受験対策からの試験、お疲れ様でした!

この受験の一年間は、本当に大変な一年だったと思います。

コロナでの自粛生活から始まり、一年間ずっとマスクをして、外出自粛で気分転換をするにもとても難しい年でしたよね。

より自分自身と向き合うことの多かった一年だったのではないでしょうか。


先日、日々切磋琢磨してきたアトリエの大掃除を生徒みんなと行いました。

蛍光灯の上の埃から、ブラインド、壁、ロッカー、机や床まで!一年自分たちが使ったものをしっかりと綺麗にしましたよ✧

心に区切りをつけることとして、しっかりと埃を落としピカピカに磨いて、あらたな風を入れることはとても大切なことです。



自分の部屋や身の回りもそうですよね。

また新たな自分に向き合えるように、春のこの時期を使えたら良いと思います。





一生懸命に頑張ったけれど、悔しい思いをしている方もいると思います。

鉄は熱いうちに打て!やはりこの悔しさは早めにしっかりと向き合うことが大切です。



河合塾では春のイベントもとても盛況で、締め切りが続出しております。

先日行った2日間の無料体験も多数の参加者!ありがとうございます。

何か少しでも新鮮な体験ができたでしょうか?







河合塾新宿校では、ゼミ形式や気づきの授業を行うので、体験したことのない授業もあるかもしれません。

春期講習に少しでも河合をのぞいてみようかな?と考えている方や

講習は受けず、面談だけして欲しいという方は

是非問い合わせてくださいね!


また、3月28日には「見て!知って!」というイベントもあります。こちらでも面談を行っています。

日本画って何だろう?という方も、経験者の方も大歓迎です。

ワークショップとして、簡単だけど奥深い筆の使い方を伝授いたしますよ♪

http://art.kawai-juku.ac.jp/kanto/news/event.html


春の一歩、

一緒に踏み出しましょう。

日本画講師一同皆様をお待ちしております!

新宿校 入試合格

河合塾美術研究所 合格者

※4月22日現在判明分

2021年度芸大入試合格速報!今年もたくさんの方々が志望校に合格しました!

特に日本画は2年連続、芸術学はなんと9年連続合格者数全国1位!!

合格されたみなさま本当におめでとうございます!

私大志望コースでは、多くの方が武蔵野美大・多摩美大に合格されました!

武蔵野美大・多摩美大合格者は、河合塾美術研究所新宿校受講者のみの合格者人数です。

※補欠者は合格者人数に含みません。

合格されたみなさまおめでとうございます!

私大デザインクラスをはじめ、各専攻の私大志望コースも、少人数ながら抜群の合格率を誇り、よろこびの声が続々と届いています。

よろこびの声は新宿校校舎にて掲示させて頂いています。

日本画専攻 合格者速報

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2021年 03月 15日 18:33

東京藝術大学日本画専攻
2021
年入試結果です!

定員25名中、最終合格12名!!(内部生のみ・講習会生等含まず)

本当に狭き門ですが、約半数が河合塾生となりました。


今年は、一次定員92名中 河合塾生33名(内部生のみ・講習会生等含まず)
塾内部生の半数が一次合格、そしてみごと最終合格へ繋げてくれました!
志望大学に合格した皆さん、本当におめでとうございます!!


今年はコロナの影響で様々な制約があるなか、年間の授業も工夫をこらして取り組んできました。
また講師の数が多いのも河合塾の特徴!一人一人に合わせて、講師が丁寧に指導できるのも、合格率の高さに繋がっています。

惜しくも結果が伴わなかった人達、この悔しさをバネに、来年度の目標へ向けて進みましょう!
来年、第一志望の大学に合格する為に!!

河合塾では春期講習など新シーズンに向けての受験サポートイベントを各種ご用意しておりおますので、是非ご参加ください。


春の公開授業:・3/203/21 河合塾の指導力を実感!はこちら(リンク:春の公開授業日本画ページ)

経験者向けですが、レベルアップにおすすめの体験講座です。是非ご参加ください。
春期講習:3/25~4/4こちら(リンク:春期講習日本画ページ)
芸大一次二次の合格者による再現デモストや着彩の一人一卓課題もあります。

定員制限があります。どちらもお早めにお申し込みください。

自己ベスト着彩

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2020年 12月 04日 18:16

こんにちは!日本画講師の柳です。

寒さが厳しくなり、いよいよ2020年も終わりに近づいてきましたね!
冬は空気が澄んで、空が綺麗に見えるのでとても好きです。


先日「自己ベスト着彩」という課題を行ったので紹介します!
5名の講師がこだわりを持って出題した数種類のモチーフの中から、生徒が描きたいものを選び制作するという課題です。









和風、洋風、レトロ、モダンなど、様々なモチーフが用意されました。
講師が私物を持参したということもあり、普段はあまり描かないような珍しい物も集まりました。








3日間制作ということで制作時間も長く、じっくりモチーフと向き合い完成度の高い作品を目指しました。






みんな集中して描いている様子、、素晴らしいですね!
「自己ベスト」を更新できた人も多いのではないでしょうか。


モチーフを見た時に感じた魅力を、絵の中でどのように表現していくかは人それぞれですが、自分の良さを知り、誰にも譲れない「こだわり」を持って制作することが大切だと思います。

この調子で冬期講習も、更なるレベルアップを目指して頑張りましょう!


日本画専攻 東京芸大実技模試2020(着彩

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2020年 10月 18日 18:46


こんにちは。日本画専攻です。
10月3日、4日の二日間にかけて芸大二次試験の公開模試が行われました。今年度は定員を絞り、早めの申し込み締め切りとなってしまったため受講できなかった学外生、申し訳ありませんでした。
それでも、新宿+名古屋両校と学外から過去最多の申し込みいただき、130作品以上が採点会場に並びました。



名古屋校からも講師が採点・講評に来ています

河合塾では、入館時のマスク着用・アルコール消毒・検温、アトリエ内の常時換気を徹底しております。今回の全体講評など会場内が密にならざるを得ない状況は、なるべく時間を短縮し行い、各フロアに分かれての個別講評を長めにする対応を取らせて頂きました。また希望者には模試作品以外の作品講評と進路相談を、個別面談形式で執り行いました。


全体講評


個別講評


今回の模試のモチーフと上位三作品をご紹介します。



最優秀作品
一枚としてとても自然に見える秀作です!梨やぶどうの観察が素晴らしいです。


優秀作品(2位)
自分の良さを最大限生かしやりきれましたね。安定して表現に深みが出せるようになってきました。


優秀作品(3位)
モチーフに対する深い観察力がついた事で、絵に臨場感が出せるようになりました。

今回、上位三点がB評価(東京芸大合格ライン)でした。どの作品も自然な空間を表現し、モチーフの印象を的確に捉えている作品となっていました。

上位三名には豪華賞品も贈呈いたしました!おめでとうございます!




今年は、1学期も授業が少なく模試の実施も例年よりも早かったこともあり、経験値をなかなか積めなかった所もあると思います。その分まだまだ磨ける余地はたくさんあるはずです。模試は順位よりも、自分の表現の何が良く何が足りないかを見る機会だと思ってください。そうすれば、残りの期間を有効に過ごせると思います。今回の模試を、皆さんの今後に生かして頂ければ幸いです。

お疲れ様でした!

日本画本科:日本画制作実習

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2020年 09月 27日 10:56


夏期講習も終わり、10月頭には芸大模試が行われます。それにともない本科では着彩課題が増えてきました。しかし、河合塾はただ受験の絵をたくさん描くだけではありません。日本画制作を取り入れることにより、いかにいい形や重なりが重要かを学び、受験の着彩のレベルアップを目指します。

今回は3日間で日本画を一枚仕上げました。
目的は
①日本画材の扱いに触れ、基本的な描き方を学ぶ。
②良い形、重なりを選ぶ。空間とモチーフの「地と図の関係」を考える。
です。
日本画科と言っても、入試の段階では日本画を描くことはないので大学に入ってから日本画材を勉強していく人が多いです。今回一足早く日本画を描いてみて、普段使っている水彩絵具との違いを体験しました。
また、本画(日本画)はシルエットの形がしっかりと出るので、良い形かどうかが絵のクオリティーを左右します。そしてモチーフをどう配置し、間をどう取るのかによって作者のねらいが出るのでそこも大事に考えました。

今回のモチーフはピンクの百合です。
講師がデモストをしながら技法をレクチャーしました。



まずは麻紙(まし)という和紙をパネルに水張りします。




水張りした紙を乾かしている間にスケッチ開始です。
花の良い形、重なりを普段よりもさらにこだわって描いていきます。スケッチブックのサイズが足りなくなった人は紙を継ぎ足して描いていました。





スケッチが終わると構図を決めて麻紙にトレスします。そして薄墨でトレスの線をなぞっていきます。これを骨描きと言います。
何度も同じ形を描く作業ですが、より良い形、線を描くように意識します。

その後薄墨で少し調子を入れ、絵の雰囲気を出しておきます。


次は彩色に入ります。まず背景を二色のグラデーションで作ります。全体に絵具を塗り、白い花の部分は絵具を軽く落としておきます。何度かくり返して背景ができてきたら次はいよいよ百合の彩色です。








百合の花には胡粉の白を使います。今回は本格的な胡粉の溶き方を勉強しました。少ない膠で定着よくさせるには手間がかかります。



花を描いていくことは日本画科の受験生なら慣れていますが、日本画材を使っての表現に苦戦している様子もありました。
しかし様々な発見をしながら描いた作品は、同じ百合のモチーフでありながらそれぞれ個性的で見応えのあるものになりました。






最後にサインや印を入れて完成です!



作品は三者面談があったのでロビーや踊り場に展示し、三者面談時に保護者の方にも見てもらうことができました。



本画を描いてみると分かることもたくさんあります。
この経験を受験対策にもつなげていってもらいたいと思います。